2018 Fiscal Year Research-status Report
断面内剛性による埋設とう性管および不とう性管の耐力評価手法の確立
Project/Area Number |
17K15344
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
兵頭 正浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (60611803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内面載荷法 / 評価基準 / 自動化 / 農業用パイプライン / パラメーターフィッティング / スタンダードモデル / RC管 / 実用化 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業水利施設のひとつである農業用パイプラインは、営農には重要な役割を果たす施設である。パイプラインで送水することで、必要な時期に必要な量を農作物に灌水することができ、収量や品質の安定化を図るというメリットがある。その一方で、パイプラインは地下埋設物であることから、容易な維持管理が困難といった点が課題となっている。申請者らは、その維持管理手法の一つとして、埋設管の耐力評価手法である内面載荷法を提案している。内面載荷法は、管内面から荷重-変形量の関係を評価し、その時に得られた傾きを指標として管体の耐力を評価するものである。この方法は、非開削かつ非破壊試験である新たな試験方法であることから、得られた荷重ー変形量の傾きに対して評価基準が存在していない。そこで、当該年度においては、評価基準を設定するために、新設時の埋設管に対して内面載荷法を適用した際の挙動を適切に再現できるスタンダードモデルを構築する必要があった。埋設管をモデル化する前段階として床に静置した状態の遠心力鉄筋コンクリート管(以後,RC管)に対して内面載荷法を適用する場合を想定し、3次元弾塑性有限要素解析を実施することで適切な境界条件について検討した。その結果、境界条件としては軸方向に奥行き20mmの線荷重、RC管下部に非線形バネ支承を設定することで載荷中の応力状態を適切に表現できた。さらに、弾性係数のパラメータフィッティングを行うことで,RC管の軸方向の断面内剛性を再現できた。 また、実用化に向けて装置を自動化する必要があり、プロトタイプとして作製した自動装置を用いて管の耐力を評価した。その結果、PVC管では手動装置と同じ荷重―変形量の関係が得られた一方で、RC管に対しては自動装置で測定した荷重―変形量の傾きは、手動装置と比較して大きく評価され、その要因は載荷に伴う車輪からの反力が原因であることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は大きく分けて2つに分類しており、評価手法の確立と判断指標の確立である。前者においては、どのように適切な荷重ー変形量の傾きを得るかというものであり、後者においては得られた荷重ー変形量の傾きがどのような状態を示すかというものである。現段階においては、最終年度の埋設実験に向けて両者ともに基礎的な学術根拠を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
埋設実験に向けた装置の自動化は前倒しして着手していたため、当初の計画通り埋設実験に関しては最終年度に実施できる見通しとなった。予定通り、とう性管としてはPVC管,不とう性管としてはRC管の評価を実施する予定である。ただし、自動化には予想以上の開発期間が必要となることから、手動装置で埋設実験を実験できる準備も行う。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた土層の作製が最終年度になったことから次年度に使用することになった。ただし,次年度早々に執行予定であることから研究の推進に特に影響を与えるものではない。
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Research Products
(7 results)