2018 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative mathematical modeling of life history of migratory fishes for regeneration of river environment
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17K15345
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
吉岡 秀和 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (70752161)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 魚類回遊 / アユ / 数理モデリング / 粘性解 / 有限差分法 / HJB方程式 / 確率制御理論 / 微分ゲーム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
アユは，我が国における主要な内水面水産資源であるとともに，水圏生態系において欠かせない役割を担う魚種です．また，アユの生活史を考えるうえでは，これを取り巻く河川環境を評価し，管理していく方法を検討していくことが重要です．いずれの課題も，これからの人間と環境の共生を考えていくうえで社会的に極めて高い重要性を有しています．本研究では，数理モデリングと現地調査の両観点からこれらの問題に取り組みました．モデリングや調査片方のみではなく両者を組み合わせれば，より深い検討ができると考えたためです．
数理モデリングについては，アユの生活史について，内在する最適性の原理を追求しました．具体的には，アユの個体群動態を確率微分方程式系で記述したうえで，確率制御理論に依拠して，回遊の様子をあらわす最適性方程式(HJB方程式という)を導きました．とくに，粘性解(HJB方程式に対して適切な解の概念)の観点にもとづいて，HJB方程式の数学解析や数値計算を行うことができました．こりにより，数理生物学的な観点からアユの生活史に関する理解が深まりました．また，アユを取り巻く河川環境に関しても，同様に確率制御理論にもとづく数理モデリングや数学・数値解析を行いました．これにより，実際の水産資源管理や河川環境管理への様々な示唆を得ることができました．
現地調査については，斐伊川を主要な研究対象地として，季節的なアユの成長や河川環境の水理的な変化を追跡しました．これにより，斐伊川におけるアユの季節的な成長や，成長の個体差を明らかにできたとともに，河川環境変化との関係性について検討することができました．
本研究の成果をベースに，発展的課題，例えば普通のアユとは異なる，ダム湖での成長を生活史を持つ「陸封アユ」に関わる諸問題にもアプローチできると期待しています．
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Research Products
(29 results)
