2017 Fiscal Year Research-status Report
ラグランジュ型非ダルシー流解析モデルの改良と応用~現場適用を目指して~
Project/Area Number |
17K15346
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
泉 智揮 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (40574372)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非ダルシー流れ / 地下水浸透流解析 / 粒子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ダルシー則に従わない浸透流(非ダルシー流)の解析が不可欠な現場の問題に取り組むために研究代表者が開発してきたダルシー-非ダルシー流解析モデルについて,不均質な土壌や成層化した土壌といったより一般的な土壌への適用可能性を検証し,当該モデルの適用可能性を拡大し汎用性を向上させるとともに,非ダルシー流の解析が不可欠な現場の問題である土砂災害の発生に寄与する山地斜面への降雨浸透流や暗渠周りの浸透・排水流解析へ適用することを目的とする. 平成29年度は,すでに研究代表者が開発したダルシー-非ダルシー流解析モデルについて,より一般的な土壌への適用可能性を検証し,当該モデルの汎用性向上に取り組んだ.より一般的な土壌として,不均質な土壌および成層化した土壌を対象とした.不均質な土壌として,粒径5mmと2mmのガラスビーズを一定の割合で混同した土壌,成層化した土壌として,粒径5mmと2mmのガラスビーズを層状に配置した土壌を用い,これらを充填した土層を作成し浸透実験を実施し,土層浸透実験結果に対する数値解析結果の再現性の観点から,当該モデルの妥当性を検証した.その結果,当該モデルは一般的な土壌に対しても適用可能性が高いことが示された.また,当該モデルの運動方程式において採用した非線形抵抗則であるフォルヒハイマー則における係数のモデル化あるいは与件が重要であり,既往係数モデルを用いるだけでなく,フィッティングパラメータとして与件することで当該モデルの再現性が向上することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダルシー-非ダルシー流解析モデルについて,より一般的な土壌への適用可能性を検証し,当該モデルの適用可能性を拡大し汎用性を向上できたため,「(2)おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において目的としている非ダルシー流の解析が不可欠な現場の問題である土砂災害の発生に寄与する山地斜面への降雨浸透流および暗渠周りの浸透・排水流解析へ適用する. これらの現象を再現するような土層を作成し,土層実験結果をもとに当該モデルによる解析結果の再現性の観点から,当該モデルの妥当性を検証する.
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Research Products
(4 results)