2017 Fiscal Year Research-status Report
電気化学的アプローチによる加工青果物の品質特性評価技術の確立
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17K15352
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
渡邊 高志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (60760767)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リンゴ / 電気インピーダンス / Cole-Cole plot |
Outline of Annual Research Achievements |
青果物のおいしさには、咀嚼時のかたさなどの品質特性が大きく影響する。特に青果物の加工過程においては、それらの品質特性が大きく変化するため、そのモニタリングが可能となれば、高品質な青果物の加工条件選定に有用である。 電気インピーダンス測定は、簡便かつ低コストでのモニタリング技術として着目され、青果物の電気特性解析について多くの研究がなされてきた。また、電極界面や細胞膜の性質を鑑みると、青果物組織の電気特性解析を行う際には、幅広い測定周波数帯における周波数特性解析が必須である。しかしながら、加工、特に加熱中における青果物組織の電気特性を解析した例は少なく、未だ固定周波数による解析も散見されるのが現状である。 本研究においては、青果物組織の電気インピーダンス周波数特性を解析することにより、加工中における組織破壊のモニタリングを行い、また、青果物の品質特性として有用な力学特性などとの関係性を整理することで、電気による加工青果物の品質特性評価技術の確立を目指す。 平成29年度においては、生鮮青果物を用いた電気特性の予備的な測定および解析を行うこととした。基金により、インピーダンスアナライザおよびプローブを整備し、また青果物測定用の針型電極を作成した。リンゴ果実を試料とし、42 Hz-1 MHz間における電気インピーダンス周波数特性を解析した。各測定周波数における電気インピーダンス値を、実数部および虚数部に分割し、その関係性を整理することでCole-Cole plotを作成した。また、リンゴ果実においては、果実の赤道における子房から表皮の中間部分において、安定した電気特性値を得られることを確認した。実験機器の整備および平成29年度の目的であった予備的な測定と解析は終了したため、次年度においては、加工青果物の電気特性の解析を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画していた、生鮮青果物組織における予備的な電気インピーダンス測定および解析は終了し、次年度に向けての検討を開始できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降においては、予定通り、加工青果物組織における電気インピーダンス測定および解析を開始する。
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Causes of Carryover |
消耗品類が当初の予定より安く購入できたため。次年度における試料購入費やプローブ作成費など、消耗品の購入に使用したいと考えている。
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