2018 Fiscal Year Research-status Report
アルギニンによる骨格筋のCat-2発現制御、NO産生および筋線維型の関係の解明
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17K15362
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
石田 藍子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (30414684)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルギニン / ブタ / Cat-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アルギニンおよびリジンの増給またはアルギニンの不足による栄養生理学的制御がブタ骨格筋のCationic amino acid transporter-2(Cat-2)発現量、一酸化窒素(NO)量、および一酸化窒素合成酵素(NOS:nitric oxide synthase)発現量、および筋線維型に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、以下の飼養試験を実施した。28日齢で離乳した35日齢のブタ(ランドレース×大ヨークシャー×デュロック交雑種、去勢オス、体重約11kg)を供試し、自由摂取、自由飲水で2週間飼養した(終了時体重約20kg)。処理区は、対照飼料(Arg 0.63%, Lys 1.40%)、アルギニン不足飼料(Arg 0.44%, Lys 1.40%)、リジン不足飼料(Arg 0.63%, Lys 0.80%)、高アルギニン飼料(Arg 1.10%, Lys 1.40%)を給与する4区を設けた。いずれの飼料も粗タンパク質(19.2%)やエネルギー(DE:3.5Mcal/kg)につい ては、日本飼養標準(2013)およびNRC(2012)が定めた要求量を満たすように設計した。 本年度は同腹子から4頭を供試した実験を2反復、実施し、昨年度と合わせて6反復の動物実験を終えた。飼養試験終了時に、ホルモン濃度の測定用の血液を採取するとともにmRNA発現量測定用に胸最長筋、 菱形筋および大腿二頭筋の3部位の骨格筋を採取し、分析に供した。 血中のインスリン、IGF-Iおよびコルチゾール濃度を測定し、骨格筋3部位のNO量を測定するとともに、骨格筋3部位のCat-2、NOS1、2および3のmRNA発現量を測定した。また、培養細胞実験について条件検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブタを供試した飼養試験は計画していたとおりに6反復終了した。培養細胞実験についての条件検討を実施した。続いて行う予定であった培養細胞実験が、妊娠による中断のため実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験でおこなった栄養による処置により、体内に生じた状況を、培養細胞を用いて培地のアミノ酸濃度を変えることで再現する。また、IGF-Iやグルココルチコイドを添加する実験、NO合成を阻害する実験、PGC-1α発現を促進する実験、さらに、培地のアミノ酸濃度を変化させる実験をおこなう。これらの条件がCat-2発現量やNO産生、筋線維型に及ぼす 影響およびその機構について明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた培養細胞実験が、産前および育児休業のため実施できず、再開後に実施することとした。そのため、細胞培養実験およびその分析にかかる資材に予定した金額をくりこすこととなった。
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