2018 Fiscal Year Research-status Report
A clinical and pathological study of wasting marmoset syndrome in common marmoset
Project/Area Number |
17K15374
|
Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
峰重 隆幸 公益財団法人実験動物中央研究所, マーモセット医学生物学研究部, 研究員 (00791584)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | コモンマーモセット / 消耗性症候群 / 実験動物学 / 獣医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に引き続いて、飼育環境下のコモンマーモセットに散発する消耗性症候群(Wasting Marmoset Syndrome、WMS)の病態解析を引き続き実施している。 病理組織学的解析の結果、WMS罹患マーモセットの病変は小腸遠位に存在していることが明らかになった。主にリンパ球やマクロファージを主体とした炎症細胞浸潤が特徴的であった。今後は小腸炎の原因について主に免疫組織化学的に明らかにしていく予定である。 また、WMS罹患マーモセットの血中シアノコバラミン(ビタミンB12)値は健常マーモセットと比較して有意に低値であった。さらに罹患個体への週1回のビタミンB12の非経口的投与により、血中ビタミンB12濃度が上昇することを明らかにした。水溶性ビタミンであるコバラミンは末梢神経障害や悪性貧血と関連しており、血中シアノコバラミン値は回腸の吸収能と相関しているとされている。WMS罹患マーモセットに特徴的な小腸炎が、WMSでみとめられる血中シアノコバラミン値の低下、さらには多くの栄養素の消化吸収不良を引き起こしていることが示唆された。ビタミンB12がWMSのバイオマーカーや治療ターゲットとしての有用性を提唱するに至った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容に関しては現在論文投稿準備中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きWMSの病態解析をおこなっていく(臨床、病理個体)。 研究内容を学術雑誌に投稿する。
|