2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of feline ureter using in vivo tissue architecture (iBTA)
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17K15377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 淳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (00554487)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生体内組織形成術 / 猫 / 尿路再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、猫膀胱壁へのバイオシート移植は良好な結果が得られた一方で、バイオチューブの尿管への移植では尿管構造の再建は全く得られなかった。原因として、ステント設置に伴う医原性の組織損傷により、浸潤可能な尿路上皮が枯渇したことが考えられたため、ステントを用いずにバイオチューブを尿管へ移植可能かを、ラットモデルを用いて基礎的に検討した。ラットへの移植は尿管を3日間結紮することにより作製した尿管拡張モデルを用い、別のラット皮下で作製したバイオチューブをエタノール中で保存したものを移植した。その結果、移植後から尿漏出は認められず、ステントを用いずに吻合のみでバイオチューブは尿路に生着することが可能であった。また、移植後6週目において、移植したバイオチューブは正常尿管と同様の径を保っていたが、吻側吻合部においてfibrosisを生じ、尿管の閉塞がみられた。一方で尾側吻合部では、尿路上皮および筋層の再生がみられた。このことから、バイオチューブへの尿路上皮、筋層の浸潤は膀胱壁と同様の過程で進んでいるものの、尿路上皮の欠損や炎症を伴っている吻側においては、線維芽細胞の浸潤、増殖が進行すると考えられた。この結果を踏まえ、猫で同様に尿管拡張モデルを用いたバイオチューブのみによる尿管移植を行った。移植後、超音波検査により経時的に吻合部を観察したところ、移植後2週間までは移植尿管前後での尿路開存が示唆されたが、2週後移行に吻側にfibrosisとみられる構造が発生し、尿路閉塞に陥る様子が観察された。現在、さらに経過を観察し、fibrosisの進行について今後明らかにする予定である。
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