2017 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞由来エクソソームを用いた中枢神経再生に向けた基盤技術の開発
Project/Area Number |
17K15378
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西田 英高 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (00622804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / 分離 / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幹細胞由来エクソソームを用いた中枢神経損傷に対する新規治療法の基盤技術を獣医療及び人医療で確立することを目的に、本年度は主に培養上清中の幹細胞由来エクソソームを大量に精製する方法について検討を行っている。Chemical Defined Protein Free Mediaを用いて、ヒト間葉系幹細胞の培養上清を回収し、カラムクロマトグラフィー法を用いてエクソソームを画分し、カラムクロマトグラフィー法を用いた精製法について検討した。その結果、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて塩濃度を調整することによって、2種類のエクソソームを分離することに成功した。これらのエクソソームの分画はそれぞれ特性が異なり、これらのうちの1つは脳損傷における炎症を抑える可能性を見出したが、その知見を確実なものとするために検討を行っている。 また、イヌ間葉系幹細胞では通常の基礎培地からChemical Defined Protein Free Mediaに培地を変更すると、50%以上の細胞が死滅することから、培地を変更する必要性が生じた。そこで、ゼノフリー培地を用いて培養することによって、細胞の生存率を維持できることを確認した。また、これらの培養上清中のエクソソームの存在を粒子径の測定およびウエスタンブロッティングを用いて確認した。現在、これらの培養上清から大量に精製できる方法ついて検討を行っている。また、これらのエクソソームが抗炎症効果を有するかについても現在検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幹細胞由来のエクソソームを精製する研究ではヒト間葉系幹細胞の培養上清から2種類のエクソソームに画分し、その特性の解析を一部完了することができた。イヌ間葉系幹細胞ではChemical Defined Protein Free Mediaの培養条件では細胞が死滅するなどの問題が生じた。そのため、培地を変更することによって細胞の生存を確認し、これらの培養上清中にエクソソームの存在が明らかとなったため、以後の研究を進める目処が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 幹細胞由来エクソソームの精製に関する研究 イヌ間葉系幹細胞の培養上清からカラムクロマトグラフィー法を用いて、大量にエクソソームの精製するための方法について検討する。 2. 幹細胞由来エクソソームの抗炎症効果及び有効因子に関する研究 精製されたヒト及びイヌの幹細胞由来エクソソームの抗炎症効果について、in vitro及び脳損傷モデルを用いて検討する。また、その有効成分についてELISA及びマイクロアレイを用いて検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度中に論文の英文校閲及び投稿を考えていたが、一部研究に遅れが生じたため、次年度に使用することとした。
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Research Products
(3 results)