2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of control program of bovine leukemia in a local area
Project/Area Number |
17K15380
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
目堅 博久 宮崎大学, テニュアトラック推進機構, 助教 (90633264)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | BLV / 水平感染 / 高リスク牛 / プロウイルス量 / 牛白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の畜産業の生産性を向上させるためには、慢性感染症対策が欠かせない。牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus: BLV)の感染を原因とする牛白血病は、2017年に最も報告数が多かった家畜の監視伝染病である。BLV感染は生涯持続するうえ、ワクチンや治療薬がないために、農場での地道な感染対策が重要である。本研究課題では、BLVの水平伝播に着目し、地域単位での牛白血病対策の実証試験を行った。本研究の結果、セットポイント期におけるプロウイルス量が500 copies/50 ng of genomic DNA以下の牛は、長期間におよび農場内で飼養したとしても、水平および垂直感染の感染源とならないことを明らかにした。そこで、500 copies/50 ngを超える牛を、地域が管理する共同農場に移動する戦略を実施したところ、宮崎県内のA地区では、2013年に4.9%であった感染率を0.47%にまで低減することに成功した。本研究の結果、プロウイルス量に基づいた地域単位で取り組む牛白血病対策が有効なことが示された。この方法は、農家の経済的負担、作業負担も軽減できるうえ、成功率が高い。今後は、プロウイルス量の定量をより簡易化し、誰でも簡単に感染源となる牛を摘発できるようにすることが重要と考える。本研究課題では、黒毛和種において、リンパ球数からプロウイルス量を推定する方法である「JCの鍵」の開発に取り組んだ。しかし、有意な相関関係は認められたものの、感度および特異度が低く、実用化は難しいことがわかった。
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