2017 Fiscal Year Research-status Report
猫伝染性腹膜炎の治療薬開発に向けた創薬ターゲットの網羅的スクリーニングによる同定
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17K15382
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
佐藤 由佳 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (10781015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 猫伝染性腹膜炎 / コロナウイルス / スクリーニング / レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
猫伝染性腹膜炎 (FIP) は、子ネコの死因の約5%を占めており、発症するとほぼ100%死に至ることから、ネコにおいて重要な感染症である。国内外のグループがFIP治療薬の開発に向けて研究を推進しているが、in vivoにおいて薬効が認められない、毒性が強い、副作用が出るなどの理由により有効な治療方法が確立されておらず、有効な治療薬の開発が必要不可欠である。コロナウイルスの種選択性には種特異的なレセプターが必要であり、レセプターを標的としたウイルスの感染制御が重要である。さらにネココロナウイルスが強毒化したと考えられているFIPウイルスがネコへの病原性を獲得するにはレセプターの選択性の変化が関与しているとも言われており、新規レセプターの同定が重要である。本研究では新たなFIP治療薬を開発するための研究基盤を築くことを目的とし、以下の実験を行なった。1) 化合物ライブラリーを用いた網羅的スクリーニングによるFIPウイルス阻害薬の探索、2) cDNAライブラリーを用いたFIPウイルスレセプターの同定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FIPウイルスの増殖を阻害する化合物を効率良く検出するために、ルシフェラーゼもしくは蛍光タンパク質を発現する組み換えFIPウイルスを作製している。従来の方法では蛍光タンパク質がすぐに消失してしまうこと、作製に長期間要することから、現在他の方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに作製した組み換えFIPウイルスを用いて化合物ライブラリーによる網羅的スクリーニングを実施する。また、その組み換えウイルスを用いてcDNAライブラリーによるスクリーニングを行い、新規FIPウイルスレセプターを同定する。
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Research Products
(2 results)