2020 Fiscal Year Annual Research Report
Population history of domestic Japanese quail inferred from genome-wide genetic diversity
Project/Area Number |
17K15395
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
布目 三夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (40609715)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家畜家禽動物 / 集団遺伝学 / ミトコンドリアゲノム / GRAS-Di法 / MinIONシーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究によって世界の家禽ニホンウズラには、遺伝的に異なる二つのグループが存在することが示唆されていました。一つは、戦前に日本から世界に輸出されたグループで、もう二つ目は戦後に日本から再度輸出されたグループです。戦時中に家禽ニホンウズラ集団が絶滅に近い状況まで集団サイズを減らし、戦後の集団は生存個体から復興したものであるため、二つ目のグループは遺伝的多様性が顕著に低くなっていることが予想されました。 そこで本研究では、まず二つのグループが明瞭に分かれるミトコンドリアDNAについて、全ミトゲノムシーケンスを実施し、戦前および戦後の系統グループの多様性の比較を行いました。続いてGRAS-Di法による野生ウズラ2個体および家禽ウズラ16集団89個体のゲノムワイドSNPデータの取得を実施しました。さらにGRAS-Diの結果をもとに、各ウズラ集団から比較的ヘテロ接合度が低い個体10個体について、全ゲノムリシーケンスを行いました。 ミトコンドリアゲノムシーケンスの結果は、先行研究で行ったD-loop領域のみによる分子系統学的解析結果をサポートするものであり、戦前と戦後のウズラ集団と思われる二つの系統群に分かれました。GRAS-DiによるゲノムワイドSNPを用いたクラスタリングの結果、商業用(卵生産用)ウズラ、肉用ウズラが顕著に分かれることが示唆されました。現在、GRAS-DiによるゲノムワイドSNPデータと全ゲノムリシーケンスデータを用いて、野生ウズラ、卵用ウズラ、肉用ウズラの遺伝的差異についての詳細を調査中です。
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Research Products
(2 results)