2019 Fiscal Year Annual Research Report
gnawing behavior of Japanese honeybee to non-flowering crops
Project/Area Number |
17K15397
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
横井 智之 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80648890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 解発物質 / かじり行動 / ラクチュコピクリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ミツバチ個体を用いたバイオアッセイを行なう事で、レタスへのかじり行動を引き起こす植物成分の特定を行なうことで、ニホンミツバチにおけるレタス成分利用の意義を解明する。 前年度のHPLC分析の結果から、ニホンミツバチによるかじり行動がみられたレタス株では、季節を問わず、芯に近い部分にラクチュコピクリンが多く含有されていることが明らかになった。このためかじり行動の季節性を生じさせた原因はミツバチ側にあることが示唆された。そこで、本年度はラクチュコピクリンがミツバチがレタスをかじる行動を解発する物質である可能性を検証するために、ラクチュコピクリン合成試薬及びレタスからの抽出溶液を用いて、反応実験を行なった。レタス飛来個体を野外で採集し、5個体ずつアクリルケース内に入れ、各溶液を塗布した金属板を10分間提示したところ、ラクチュコピクリン合成試薬単体で提示した実験では、液をなめとる行動を示す個体は全く観察されなかった。一方、レタス抽出液に対してはなめとる行動が86%の個体で確認された。次にラクチュコピクリン以外のレタス含有成分に対する反応を観察した。レタス片をメタノール抽出後、濾過した溶液を、水画分0%・40%・90%・100%まで分け、反応があった画分については、さらに分画して反応試験を行なった。合計6つの処理区を用意した結果、100%水画分処理した溶液に対して高い反応が見られ、GC分析によって、この溶液内には糖類が35%の割合を占めていることが明らかになった。また100%水画分溶液内にはラクチュコピクリンは検出されなかった。このため、ラクチュコピクリンは解発物質として機能している可能性は低く、糖類をはじめとする別の物質がその役割を担っていることが示唆された。
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