2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of Arabidopsis microRNA biogenesis via posttanslational modification
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17K15416
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩田 雄二 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80704965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | microRNA / Dicer-Like1 / Serrate |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの低分子RNAはshort interfering RNA(siRNA)とmicroRNA(miRNA)に大別され、その生成にはRNaseIIIファミリータンパク質であるDicer-Like(DCL)タンパク質が中心的な役割を果たす。miRNA生成に関与するDCLタンパク質はDCL1であり、ヘアピン構造をとる一本鎖RNAを切断しmiRNAを生成する。シロイヌナズナを用いた遺伝学的解析から、miRNA生成に関与するタンパク質が多く同定されている。その多くのタンパク質はDCL1と協調的に機能してmiTRNA生成に関与していることが明らかにされているが、これらタンパク質の翻訳後修飾に関する研究は少ない。 本研究では先行研究によりDCL1のmiRNA前駆体切断活性を上昇させることが明らかにされているSERRATE(SE)タンパク質を中心に解析を行った。その結果、タンパク質のリン酸化を検出するPhos-tag PAGEによりSEタンパク質がリン酸化されていることが分かった。SEタンパク質のN末端領域を欠失させたSEを発現させ同様に解析を行った結果、リン酸化は見られなかったことから、SEタンパク質のN末端領域がリン酸化されていることが示唆された。更に、このN末端領域を欠失させたSEタンパク質を発現するシロイヌナズナを作出し解析を行った結果、複数のmiRNAの蓄積量が野生型株と比較して減少しており、逆に複数のmiRNA前駆体の蓄積量は増加していた。以上の結果から、N末端領域のリン酸化がSEタンパク質の機能に重要である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SEタンパク質の発現量が低くPhos-tag PAGE後のウエスタンブロット解析において検出が難しい問題点があり条件検討に若干の時間を要したが、その他の実験に関してはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
SEタンパク質のリン酸化が様々な発達ステージやストレス条件などにより影響を受けるかどうか調査すると共に、他のmiRNA生成関連タンパク質やmiRNA前駆体などとの相互作用にどのように影響を受けるかについて解析することで、SEタンパク質の翻訳後修飾の役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
抗DCL1抗体の作製を予定していたが、使用する抗原の調製が間に合わなかったため。
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Research Products
(2 results)