2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of the chiral recognized graft polymer catalyst and application to the Flow Reactor.
Project/Area Number |
17K15429
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
奥野 義規 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (90449405)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 固定化触媒 / 高分子 / フロー反応 / 不斉触媒反応 / グリーンケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、キラル分子を認識するグラフト型キラル高分子の開発と不斉触媒反応への応用を目的としている。従来の高分子不斉触媒の多くはポリスチレンなどのビニルポリマーの側鎖に触媒を共有結合で結合しており、ランダム構造である高分子鎖に触媒分子もランダムに配置されているため、立体選択性が低下する場合が多い。そこで、耐久性の高いポリエチレンに不斉構造を有するビニルモノマーをグラフト重合した場合、不斉環境を規則的に配置することができ、グラフト鎖自身が巨大な不斉環境を生み出すと考えた。 以上の事から、多くのキラル触媒の基本骨格となっているビナフチルモノマー誘導体を設計し、そのうち3種類のキラルモノマーを合成した。 これらのキラルモノマーをポリエチレン不織布へグラフト重合するため、連続電子線グラフト重合法による高分子化の検討を行い、最適条件を決定した。この条件では、それぞれのモノマーにおいてグラフト率は異なるが、ほぼ同等の官能基量でグラフト重合することに成功している。 さらに、これらのグラフト型キラル高分子を用いて、不斉アルキル化反応を実施した。その結果、良好な収率、エナンチオ選択性を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフト型キラル高分子の開発において、BINOL誘導体の連続グラフト重合を目的として研究を進めている。本年度では、連続電子線グラフト重合の最適条件の探索を実施し、これまでにない最大サイズのキラルモノマーを安定してグラフト重合することに成功した。さらに、これらのグラフト型キラル高分子を不斉触媒反応へ展開するため、不斉アルキル化反応において良好な結果を得ている。しかし、未だフロー反応への展開には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフト型キラル高分子が不斉触媒として機能し得ることを証明した。今後は、これらの触媒機能の調査と、様々な触媒設計と多岐にわたる不斉触媒反応へ展開する予定である。それと同時にヘリカル構造を有するグラフト型高分子の設計を進める。
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Causes of Carryover |
グラフト型キラル高分子触媒反応において、フロー反応への展開には至っておらず、フロー反応周辺機器を今後購入予定であるため。
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