2019 Fiscal Year Annual Research Report
The regulation of STING pathway
Project/Area Number |
17K15445
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
向井 康治朗 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90767633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然免疫 / リソソーム / 細胞内膜輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
Stimulator of interferon genes(STING)は、ウイルス感染やミトコンドリア損傷、紫外線暴露などで細胞質に出現したDNAに応答し、I型インターフェロン(IFN)及び炎症性サイトカインを誘導するのに必須な分子である。申請者は、定常状態で小胞体に局在するSTINGが細胞質DNAの出現に応じて細胞内局在を変化させ、移動途中のゴルジ体でSTINGがパルミトイル修飾を受けて活性化することを明らかにしてきた(Mukai et al., Nat Commun 2016)。一方、I型IFN応答および炎症応答は刺激後数時間のうちに収束するが、そのメカニズムはほとんど分かっていない。本研究では、STINGが引き起こす炎症応答の活性制御メカニズムを、STINGの翻訳後修飾、相互作用タンパク質、細胞内輸送経路に着目して解析した。その結果、STINGはゴルジ体へ局在変化したのちにTBK1をリクルートすること (Ogawa & Mukai et al., BBRC 2018; Taguchi & Mukai, Curr Opin Cell Biol 2019) 、及び、最終的にSTINGがリソソームで分解されて下流シグナルの活性化が収束することを見出した。また、炎症応答時に産生されるニトロ化不飽和脂肪酸がSTINGのパルミトイル化を阻害し、炎症応答を負に制御する機構が存在することも明らかにした (Hansen et al., PNAS 2018; Hansen et al., Cell Mol Immunol 2019) 。これらの研究成果は、基礎生物学としても重要な知見であると同時に、腫瘍免疫や自己炎症性疾患などSTING経路が関わる疾患の治療法の開発に貢献する可能性がある。
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