2018 Fiscal Year Annual Research Report
Blocking core fucosylation of PD-1 reduces cell-surface expression and promotes anti-tumor immune responses of T Cells
Project/Area Number |
17K15451
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 匡央 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30749479)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | pd-1 / fut8 / core fucose / tumor immunity |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、PD-1のコアフコシル化の阻害が、PD-1の発現低下を起こし、T細胞の活性化を誘導することを明らかとしてきた。特に、モデル抗原OVAに対するTCRを過剰発現したCD8陽性T細胞に、フコシル化阻害剤を処置することで、マウスモデルで、OVA発現がん細胞を、より殺傷できる可能性が示唆されていた。 そこで今年度は、このメカニズムをさらに応用させようと、ヒトでも同じことが起こるか、自然ながん抗原でも同じことが起こるか、に着目して研究を行った。 ヒトについては、患者検体を入手することができず、解析を行うことはできなかった。しかし、糖鎖修飾を受けうるアミノ酸部位がマウスと類似していること、またSNPの解析により糖鎖修飾に必要な配列に異常あり、糖鎖修飾が正常に起こらないと予測される遺伝型のヒトが存在することが明らかとなった。このことから、コアフコシル化のPD-1の発現制御メカニズムはマウスとヒトで共通するものがあるだろうと考えており、健常人の血液サンプルを用いるなどで解明していく方針である。 次に、自然に存在するがん抗原はOVAのようなモデル抗原と比べ、その認識は弱い場合が多い。そこで、がん抗原を新たに探しており、内因性レトロウイルス由来のがん抗原などを標的とするT細胞を解析している。自然に存在するがん抗原に対するT細胞を同定できれば、その細胞に対してフコシル化を阻害する処置を行い、マウスモデルに応用する方針である。 コアフコシル化はTCRにも起こる糖鎖修飾で、その阻害はT細胞の活性化を阻害するという報告もある。TCRだけではなく、糖鎖修飾サイトが少ないと思われるCAR-T細胞を用いて、さらにCAR-T細胞を活性化させることを目的として、コアフコシル化阻害が応用できないかを試していく方針である。
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