2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of the model for the prospective evaluation of intrahepatic metastasis in silico and its application for the drug discovery.
Project/Area Number |
17K15478
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲垣 善則 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40733390)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝内転移 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、in vitroでの細胞移動試験の結果から生体内での細胞の浸潤性を評価するシステムを用い、in silico肝内転移評価システムの構築と化学療法剤の検証を試みた。当該年度においては、研究項目(3)in silico細胞移動評価システムの肝内転移評価への応用に重点を置き、モデルマウスを用いた肝内転移モデルの確立を行い、そのモデルとin silico細胞移動評価システムの整合性に関する検討を実施した。その結果、ヒト肝細胞癌細胞の一種であるHUH-7細胞を移植し、マウスの肝臓に転移巣を形成させるモデルを確立した。そのモデルを用いた抗癌剤の転移抑止効果の評価実験においては、抗癌剤を投与したマウスにおいて肝臓に形成される転移巣数が非投与のマウスに比べて減少した。このことから、当該マウスモデルは、肝細胞癌細胞の転移に対する抗癌剤の抑止効果の検討に使用可能であると示唆される。続いて、in silico細胞移動評価システムを使用して、当該モデルマウスの転移巣形成を予測評価することが可能か否かを検討した。これまでに蓄積したHUH-7細胞の浸潤に関するデータに基づき、当該モデルマウスにおけるHUH-7細胞の転移巣形成数のデータとの整合性を評価した。その結果、in silicoデータとして蓄積されたHUH-7細胞の浸潤における抗癌剤の効果は、マウスにおける転移巣形成における抗癌剤の効果との間に相関性を示したが、転移巣形成数に大きなばらつきが生じたため定量的評価の精度が低くなった。以上の結果から、本研究計画で用いたin silico細胞移動評価システムは、動物体内における癌細胞の転移巣形成に対する抗癌剤の評価に応用可能であると示唆される。今後、本研究で確立したマウスモデルの精度を向上させ、in silico細胞移動評価システムとの連関性をさらに追及する必要がある。
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Research Products
(9 results)