2018 Fiscal Year Research-status Report
フォリスタチン由来ペプチドを基盤とした筋肉増強剤創製の新展開と分子機能解明
Project/Area Number |
17K15484
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高山 健太郎 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70611482)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | フォリスタチン / マイオスタチン阻害ペプチド / 選択的阻害 / 構造活性相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、マイオスタチン阻害分子「フォリスタチン」のN末端領域に由来するペプチドを基盤としたマイオスタチン阻害ペプチドの創製と分子機能解明を目指した研究を実施した。高いマイオスタチン選択性を示す誘導体の獲得が本研究の最終目標であるが、今年度はマイオスタチン阻害活性に焦点をあてた研究を実施し、知見を得ることとした。 まず、構造活性相関研究のリードペプチド2(14残基)に関してin vivoでの筋量増加効果の有無を検討した。野生型マウスの前脛骨筋内に生理食塩水に溶解させたペプチド20 nmolを直接投与したところ、生理食塩水投与群に比較して約10%の筋重量増加が認められた。HE染色による筋断面の組織解析により、特に中程度1700 - 2400um2の筋断面積を有する筋繊維が明らかに増加していることが観察された。 一方で、高いマイオスタチン阻害活性を有するペプチドの創製を目指し、構造活性相関研究を実施した。これまで2年間で100種を超える誘導体を創製した。その結果、昨年度得られた知見を組み合わせた新規誘導体DF-100(14残基)を創製した。DF-100は、マイオスタチン阻害活性としてペプチド2よりも約3倍強力な阻害能を有することが明らかとなった。同時に、短鎖化や水溶性の向上を目指した誘導体の合成も実施したが、末端残基の欠損や、水溶性アミノ酸残基の配列中への導入あるいはN/C末端への付加によって、マイオスタチン阻害活性の低下が認められた。 以上の成果を持って、10月に国内特許出願した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リードペプチド2が野生型マウスではあるが、in vivoにおいて筋重量増加効果を示すことを実証できた。また、in vitroで約3倍高いマイスタチン阻害活性を示す誘導体を獲得することができ、特許出願にまで至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた高活性誘導体DF-100を中心にマイオスタチン選択性を検証し、マイオスタチン選択的な誘導体の獲得と、その分子機能について詳細に検討する。また、病態モデルマウスを対象としたDF-100のin vivo試験を実施していく。一方で、水溶性の向上を目的とした分子修飾などを検討していく。
|
Causes of Carryover |
年度またいだ継続的な実験研究遂行と、論文投稿を含めた成果報告のための実験等で最終年度に使用する。
|