2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of biomarkers to predict the efficacy of anti-PD-1 antibody
Project/Area Number |
17K15498
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高橋 雄太 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (70509918)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗体医薬 / 個別医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体医薬品の薬効や副作用には遺伝多型のみでは説明できない個人差が報告されており、標的分子の発現や機能及び抗体に対する耐性化も併せて評価する必要がある。本研究では、Programmed cell death-1(PD-1)抗体であるニボルマブおよび中和抗体体内動態の解析、生体由来タンパク質の血清プロテオミクス、遺伝子多型解析を介して、薬効および副作用を予測するマーカーを探索し、抗体医薬品を適正に使用するための投与設計法を確立するための方法論を構築する計画であった。 PD-1抗体投与患者の血中濃度の定量を検討し、LC-TOFMSを用いてニボルマブ定量の測定対象ペプチドを明らかにし、合成ペプチドを用いた検討を進めた。その結果、測定対象ペプチド特異的なLC-MS/MS分析法をほぼ確立した。血清を用いて検討したところ、得られた測定対象ペプチドでは、夾雑ピークと重なる恐れが出てきたことから、もう一つの候補ペプチドを得て、順次検討を進めた。 PD-1投与患者の薬効および副作用の予測マーカーとしての血清プロテオミクスの確立を目的として、網羅的プロテオミクスの前段階の検討になる標的プロテオミクスを検討した。がん細胞の遊走・浸潤に関与することが明らかにされているstathmin1とTGF-β1を標的として、還元アルキル化トリプシン処置をした血清の分析を行い、測定対象となるペプチドを得た。血清の直接的な還元アルキル化トリプシン処理では感度が足りない可能性が明らかになった。 今年度はこれまでの研究の進捗を振り返り、臨床研究の計画を実施可能な形で再検討した。現在、既治療・進行非小細胞肺癌におけるニボルマブ投与後の患者検体を用いた後ろ向き研究を倫理申請し、測定を進めていくところである。
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