2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of vascular injury due to interaction between hyperuricemia and metabolic diseases
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17K15500
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小森 久和 金沢大学, 薬学系, 助教 (00634180)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ABCG2/BCRP / 高尿酸血症 / 翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管疾患及び慢性腎臓病の危険因子であるメタボリックシンドロームは内臓型肥満を基盤として高血圧,高血糖あるいは脂質代謝異常を併せ持ち、慢性炎症を背景とした臓器連関によって病態の悪循環を引き起こす。近年、高尿酸血症も慢性炎症の一因として考えられている.これまで申請者は,高尿酸血症に併発する心血管疾患が尿酸による血管内皮細胞傷害を起点として生じることに着目し,高尿酸血症に相当する尿酸濃度では血管内皮細胞において尿酸が酸化ストレスを惹起し,Aktのリン酸化を阻害することで尿酸排出トランスポーターABCG2が内在化し,細胞内尿酸の蓄積が亢進することを示した。そこで、ABCG2の局在調節メカニズムを明らかにすることを目的とし、翻訳後修飾の変化が局在に及ぼす影響を評価した。 内在化が報告されているABCG2の変異体にQ141Kがある。K (lysine) 残基はユビキチン化やアセチル化の翻訳後修飾を受けるアミノ酸残基であることから、Q141K変異体及び修飾を受けないモデルとしてQ141R変異体を作成し、比較検討した.Q141K変異体の内在化にはLys141上の翻訳後修飾が寄与し,修飾されたQ141K変異体はあるオルガネラで分解されている可能性が示された.従って,ABCG2の局在変化にlysine残基における翻訳後修飾の変化が寄与していることが示唆された.今後、Aktのリン酸化阻害がLysの翻訳後修飾の変化に及ぼす影響を検討する予定である. また、我々は高尿酸血症時に変化する他のトランスポーターを探索した.高尿酸血症モデルラットでは腎臓においてMate1及びOct2の発現が減少し、基質薬物metformin及びcephalexinの腎蓄積が亢進したことから、高尿酸血症で薬物の体内動態変化が引き起こされる事例を新たに示した (Nishizawa et al, PLoS ONE, 2019).
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