2018 Fiscal Year Research-status Report
ALS患者の疼痛に対する適切な薬物治療法の探索:多施設共同前方視的研究
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17K15501
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石田 奈津子 金沢大学, 薬学系, 助教 (70794220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 緩和ケア / QOL / 薬物療法 / 緩和医療 / 非がん性疼痛 / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者における疼痛の発現状況や疼痛に対して有効な薬剤を明らかにすること,および病勢や疼痛がQOLに及ぼす影響を検討することである。これにより疼痛の要因や病気の進行度に応じた薬物療法を確立することを目標としている。2018年度は2017年度に作成した多施設共同前向き観察研究の研究計画書に基づき,下記のように研究を遂行した。 1.倫理審査委員会への申請,承認:昨年度本学倫理審査委員会で承認された研究計画書について,申請中であった全ての研究協力施設の倫理審査委員会より承認が得られた。 2.多施設共同前向き観察研究の実施:倫理審査委員会の承認が得られた施設より順次,症例の組み入れを開始した。2019年3月末時点において,ALS患者19名より同意を取得し,研究開始時評価を実施した。うち,7名は6ヶ月後評価を終了している。現時点でデータを収集した15名のうち,研究開始時に疼痛を有する患者は5名(33.3%)であり,有症者の疼痛の数値的評価スケール(NRS)は3.2±2.3であった。 3.研究担当者ミーティングの開催:2019年11月に研究担当者ミーティングを開催し,進捗状況の説明や研究担当者によるディスカッションを行った。複数の研究担当者より疼痛緩和薬開始前評価の実施が困難なケースがあるとの意見があったため,研究計画書を変更し,疼痛緩和薬開始後の評価に痛み緩和スケール(Pain Relief Scale: PRS)を追加した。 また,昨年度に掲載待ちであった本研究の先行研究に関する論文が論文誌(Journal of Palliative Medicine. 2018 May;21(5):588-591.)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画書の作成に時間を要したため,当初の予定より若干遅れたものの本年度より研究対象者の組み入れが開始となった。組み入れ当初は順調に症例登録がされていたものの,希少疾病であることもあり症例登録数は減少傾向にある。なお,登録された症例については,問題なく研究が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度中に研究協力施設の研究協力者の変更が予定されていることから,改めて研究協力施設への症例登録依頼を行う。また,観察中の症例については引き続き追跡調査を行い,本年度中に疼痛やQOLの経時的変化および疼痛緩和薬の治療効果等について中間解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では,研究協力施設とのデータの授受をクラウド上で行う予定であったが,セキュリティ等の問題によりメールでの授受に変更したことから,使用額が当初の予定より少なくなった。2019年度は,第2回研究担当者ミーティングおよび中間解析結果の学会発表を行う予定であるため,次年度使用額はその費用に充てる。
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Research Products
(1 results)