2017 Fiscal Year Research-status Report
トキシコキネティクスに着目した第3世代アゾール系抗真菌薬の投与設計法の確立
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17K15502
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 尚広 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (20793540)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボリコナゾール / 皮膚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実施計画において、ボリコナゾールについては患者を対象としたボリコナゾールの血中濃度測定、薬物代謝酵素の遺伝子解析、代謝物であるNオキシド体濃度の変動因子抽出を課題として挙げた。実際に上記測定及び遺伝子解析について実施し、多変量解析を用いてNオキシド体濃度の変動因子抽出を行った。しかし、今回検討を行った範囲でのNオキシド体濃度の変動因子について、有意に影響を及ぼすものについては抽出できなかった。 また、平成29年度以降の計画にある皮膚障害の評価についても一部検討を行った。研究計画では皮膚障害関連因子としてCOX-2 活性、活性酸素、Nrf2、IL-1β、IL-2、IL-17A/F、TNFα、IL-6を挙げ、測定を行うこととしていた。今回はTNF-αとIL-6を患者検体において測定し、ボリコナゾール及び代謝物のNオキシド体の濃度、またそれらの代謝比に対しする相関性について評価した。現在その2因子については血中濃度や代謝比との有意な相関は得られていない。その要因としては、皮膚障害関連因子のうちの今回の2つの因子が皮膚障害の影響を反映しにくい因子だった可能性、または今回の研究対象者が入院患者であったために、皮膚障害が起こるとされるメカニズム的に必要とされる紫外線の影響を受けにくい対象であったことの2点が考えられた。 ポサコナゾールについては未だ上市されていない状況のため評価できていない。上市の上昇に関しては開発メーカーに随時情報を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボリコナゾールについては、本年度では皮膚障害の因子評価を行うこととなっており、2つの因子については評価できた。しかし、その他の因子については、今後評価していくべきかどうかも含め検討する必要がある。 ポサコナゾールについては当初、上市を見込んでいた時期よりも遅れている模様であり、未だ研究に取り掛かれていないため進捗として遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ボリコナゾールによる皮膚障害の評価は、機序的にも紫外線下で発現しうるものと考えられ、入院患者を対象とすると評価が困難となる可能性が予測された。外来患者については、服薬コンプライアンスの管理や、同意取得上の問題もあるため対象にすることは困難である。以上より、今後はボリコナゾールの皮膚障害については発現機序の解明に特化し、in vitroでの研究も視野に入れて行っていく必要がある。 ポサコナゾールの評価については、上市の情報について随時確認し準備していく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた症例数よりも小規模となったため。 持ち越したがくについては、今後検討しているin vitroの研究へ充当することを計画している。
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