2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell-based intratumor drug delivery using immune cells
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17K15505
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
清水 太郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (30749388)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌 / 養子移入療法 / 薬物送達 / 細胞送達 / 癌免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がん移行性の高い免疫細胞に薬物を搭載し、当該免疫細胞のがん移行性を各種刺激によって促進させて、がん治療を行うことを最終目標とする。従来のナノ粒子による薬物送達はがん組織内部へと薬物を送達することが難しかったが、免疫細胞をキャリアとして用いることでこの課題を解決しようと考えた。前年度の研究において、免疫細胞をがん移植マウスに養子移入すると、CD4+T細胞や顆粒球ががん組織に移行しやすいこと、抗がん剤のドキソルビシンで前処置を行うと、その移行性が向上することを明らかにした。当該年度は、さらなる免疫細胞のがん移行性向上のための薬物処置法の検討および免疫細胞への薬物搭載法の検討を行った。 まず免疫細胞のがん移行性をさらに向上させるために、免疫細胞の遊走を制御する薬物の1つであるFTY720による前処置を行った。FTY720の前処置を行うことにより、腫瘍内に存在するホスト由来のCD4+T細胞やCD8+T細胞は一過性に減少した。この減少した時期免疫細胞を養子移入すると、ドナー由来のCD4+T細胞やCD8+T細胞のがん移行性が向上することが明らかになった。 続いて免疫細胞への薬物搭載法の検討を行った。薬物としてドキソルビシンを選択し、徐放させることを目的にPEG修飾リポソームに封入した。またPEG末端にマレイミド基を導入し、各種免疫細胞表面のチオール基に薬物搭載PEG修飾リポソームを結合させることに成功した。 以上のように、薬物を搭載した免疫細胞を作製することに成功するとともに、免疫細胞のがん組織移行性を向上させる手法を見出した。これらを組み合わせることにより、効率的ながん治療が可能になると考えられる。
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Research Products
(3 results)