2017 Fiscal Year Research-status Report
第2、第3世代EGFR-TKI耐性獲得へのSFKの関与と新規克服治療創出研究
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17K15507
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 雄一 九州大学, 薬学研究院, 共同研究員 (60464385)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | EGFR-TKI / SRC / 薬剤耐性 / ダサチニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲフィチニブ、エルロチニブ等の第1世代EGFR-TKI耐性肺癌に対して第2世代TKIのアファチニブや第3世代TKIのオシメルチニブなどが克服作用を示すことが報告されている。しかし、これらの第2世代、第3世代TKIに対しても耐性癌の出現が報告され始めている。本研究では第2、第3世代EGFR-TKIに対する肺癌の耐性メカニズムについてSrcファミリーキナーゼ(SFK)に着目して明らかにすることを目的とした。本年度の研究では以下のことを明らかにした。 (1)独自に樹立した第2世代EGFR-TKIアファチニブ耐性肺癌細胞株はアファチニブによるAKTのリン酸化阻害効果が低下していることが示された。(2)これまでにアファチニブ耐性株ではSFKが活性化していること及びSFK阻害剤のダサチニブに高感受性であることを明らかにしている。ダサチニブを処理によってAKTのリン酸化が阻害されることを示した。(3)アファチニブ耐性株ではSFKの中でSRCの発現の亢進が確認され、siRNAを用いたSRCのノックダウンによってアファチニブ耐性株の細胞増殖抑制効果が観察された。(4)アファチニブとダサチニブの併用によって細胞増殖抑制効果が観察された。(5)アファチニブ耐性株では下流シグナルのFAKが活性化しており、ダサチニブによるFAKのリン酸化抑制が観察された。さらにFAKのノックダウンによるAKTリン酸化抑制、細胞遊走抑制が観察された。 以上の結果より、第2世代EGFR-TKIに対する耐性メカニズムとして新たにSFK/FAKシグナルの関与を明らかにした。また、その耐性克服のために、SFK阻害剤ダサチニブとアファチニブとの併用が有効である可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにヒト肺癌における第2世代EGFR-TKI耐性メカニズムとしてSFK、FAKが関与することを明らかにした。SFKの阻害が第2世代EGFR-TKI耐性肺癌の克服に有効である可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
SRCのEGFR-TKI耐性への関与を、これまでに樹立している第3世代EGFR-TKI耐性肺癌を用いてさらに詳細に解析していく。また、EGFR-TKI耐性肺癌に対する耐性克服について、in vivoで腫瘍抑制効果を検討していく。
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Causes of Carryover |
遺伝子導入試薬、抗体等これまでに所有していたものの使用により、当初の予定より購入時期が遅くなっているが、次年度初めに当該年度中に購入予定としていたものを購入する他、動物実験、細胞培養等に関する物品へ使用する。
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[Journal Article] The activation of SRC family kinases and focal adhesion kinase with the loss of the amplified, mutated EGFR gene contributes to the resistance to afatinib, erlotinib and osimertinib in human lung cancer cells.2017
Author(s)
Murakami Y, Sonoda K, Abe H, Watari K, Kusakabe D, Azuma K, Kawahara A, Akiba J, Oneyama C, Pachter JA, Sakai K, Nishio K, Kuwano M, Ono M.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 8
Pages: 70736-70751
DOI
Peer Reviewed