2018 Fiscal Year Research-status Report
マイクロバイオーム解析に基づく難治性尋常性ざ瘡の個別化治療法開発と病態の理解
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17K15524
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
張 音実 明治薬科大学, 薬学部, 客員研究員 (50573466)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尋常性ざ瘡 / マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から角栓中のマイクロバイオームを次世代高速DNAシーケンサー(NGS)を用いて高精度に解析した。その結果、細菌のみならず多様な真菌も角栓中に存在していることが明らかになった。本年度は解析アルゴリズムを改変し詳細な角栓型別を行った。その結果、1) アクネ菌型、2) 細菌多様性型、3) マラセチア型に大別された。1)は従来より知られているが2)および3)は新規に得られた知見である。よって難治型のざ瘡は2) and/or 3)が原因である可能性が高い。そこで2)および3)の優位菌を迅速に検出できれば治療に寄与することができる。細菌多様性型の優位菌は、DNAシーケンス解析からBacterium sp. 1, 2, 3が得られた。マラセチア型は、Malassezia sp. 1, 2が得られた。これらの5株の部分的ゲノムを解析し、LAMPプライマーを各々について作製した。皮膚鱗屑からは高収率で核酸を得る必要があるので、核酸抽出法についても検討した。各種の検討結果から、液体窒素破壊法がもっとも高収率であった。新たに開発したLAMPでは10 ngの検出感度であった。 次に選別された5株について、薬剤感受性試験を実施した。Bacterium sp. 1, 2, 3は尋常性ざ瘡の標準的治療薬であるクリンダマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンにはやや低感受性を示した。一方、Malassezia sp. 1, 2はケトコナゾール、ミコナゾールには感受性を示した。このことから、細菌耐用性型の症例には、従来の治療薬には抵抗性を示す可能性があること示された。現在、皮膚科領域で用いることのできる抗細菌薬の探索を進めている。また、ざ瘡は細菌が原因と考えられていたが真菌も豊富に存在していることも判明した。抗真菌薬の投与も検討するべきことも考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、おおむね順調に進行している。細菌多様性型菌に対する薬剤感受性試験結果に対する最終評価が終わっていないが、まもなく完了の予定である。したがって当初の研究計画に大きな変更はない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのマイクロバイオーム解析情報に基づいて分離した菌株を用いて免疫応答実験を行う。脂腺細胞および皮膚角化細胞と複合系マイクロバイオームを共培養し、サイトカイン測定等から当該菌株の炎症誘導能を評価する。これに各種マイクロバイオーム型の病態を理解することができる。
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Causes of Carryover |
本年度は詳細な薬剤感受性試験が完了しなかった。実験に必要な試薬は長期保存ができないため、実験する直前に購入することになる。そのための必要部分を次年度に入手することとした。試験自体は次年度早々に実施する。
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[Journal Article] Inhibitory effects of Euphorbia supina on Propionibacterium acnes-induced skin inflammation in vitro and in vivo2018
Author(s)
Lim HJ, Jeon YD, Kang SH, Shin MK, Lee KM, Jung SE, Cha JY, Lee HY, Kim BR, Hwang SW, Lee JH, Sugita T, Cho O, Myung H, Jin JS, Lee YM
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Journal Title
BMC Complement Altern. Med
Volume: 18
Pages: 263
DOI
Peer Reviewed
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