2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanisms of macrophage death by drug interaction through Toll-like receptor signaling
Project/Area Number |
17K15529
|
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
小池 敦資 大阪薬科大学, 薬学部, 助教 (00625725)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | マクロファージ / カスパーゼ阻害薬 / ナフトキノン骨格 / アポトーシス / ネクロトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会への移行に伴い、多剤併用療法が標準化し、薬物相互作用による有害事象を回避することは、重要な課題である。申請者は、マクロファージ活性化経路の一つであるToll様受容体(TLR)シグナル経路に作用する薬物同士を併用にすることによって、急速に細胞死が誘導される現象を見いだした。本現象は、免疫系以外の細胞では見られないことから、免疫系に特異的な薬物相互作用を示唆している。これらの研究成果を踏まえ、本研究では、自然免疫系の機能低下をもたらす新奇薬物相互作用を起こしうる医薬品の同定とその分子機構の解明を行うことを目的とし、重篤な感染症の予防に向けた新たな治療手段の提供につながると考え、本申請研究を企画した。 初年度は、マクロファージに細胞死を誘導する薬物相互作用を同定するために解析系(ルシフェラーゼレポーターアッセイ系)の確立に取り組んだ。レポーターアッセイのプラスミドは完成した。また、一般的にマクロファージ系の細胞は遺伝子導入効率が悪いという報告もあったが、様々な条件検討の末、最適な導入法の確立も成功したことから、現在は本解析系を用いた検討を進めるために、今までに見つかっている相互作用を示す化合物をマクロファージに作用させ、アッセイ系が適切に反応するかどうかについて調べている最中である。 次に、細胞死誘導を起こしうる相互作用の探索を行った。その結果、マクロファージ活性化作用をもつ物質、カスパーゼ阻害作用を有する化合物において新たに細胞死(ネクロトーシス)が誘導されることを発見した。現在は、この分子機構の解明を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていた計画通りに概ね進展しており、新たな細胞死誘導機構も明らかになりつつあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、作製したレポーターアッセイ系を用いて、薬物相互作用の解析を進めていく予定である。さらに、細胞死誘導の分子機構を解明し、次年度の患者を対象とした副作用調査への準備へと入っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
計画した研究が順調にいったため、翌年度繰り越し分が生じた。
|