2018 Fiscal Year Annual Research Report
Strategy for prevention of acquired resistance and overcoming of natural resistance to decitabine in colorectal cancer cells
Project/Area Number |
17K15531
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
細川 美香 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (70548271)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | デシタビン / 大腸がん / 薬剤反応性 / 獲得耐性 / 自然耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティック機構を標的としたDNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害薬は新たな抗がん薬として注目されている。DNMT阻害薬であるデシタビン(DAC)は、他の抗がん薬との併用効果が期待されている。本研究では、ヒト大腸がん細胞を用いてDACに対する獲得耐性の防止法と自然耐性の克服法を見出すことを目的とした。 獲得耐性の耐性化メカニズムとして、DACの活性化酵素dCKのタンパク発現低下が主な要因と考えられた。dCK発現低下の機構として、dCK安定化に関わるHuRの発現を検討したところ、発現変動は認められずdCK発現の低下機構の同定には至らなかった。今後、耐性の防止法を見出すためには、dCK発現の低下機構を精査する必要がある。 DAC耐性獲得機構としてdCK発現低下が明らかになったため、効果発現にdCKが関与しない他のDNMT阻害薬(ヌクレオシド系と非ヌクレオシド系)を用いて、DAC獲得耐性細胞のDAC耐性を改善し得るか否か検討した。その結果、検討した阻害剤のDNAメチル化阻害作用はアザシチジンのみで認められ、その作用はDACより弱かったものの、DAC耐性を改善する可能性が示された。なお、DNMT阻害効果があると報告されている、DNMTのクライアントタンパクHSP90の阻害剤(17-AAG、17-DMAG)を用いてDAC耐性改善効果を検討したが、獲得耐性及び自然耐性の改善には至らなかった。 DACに対する自然耐性細胞では、DAC感受性細胞と比較してWNTシグナル経路遺伝子の発現上昇が以前の検討結果より認められていたため、各種WNT経路阻害剤をDACと併用したところ、CP21R7阻害剤で相乗的な殺細胞効果が認められた。 以上の知見は、がん化学療法においてDACに対する耐性への対策を講じる際に、有益な情報になると考えられる。
|
Research Products
(8 results)