2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanisms underlying the coupling between transcription and RNA metabolism during myelination
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17K15542
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
備前 典久 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40751053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / ミエリン / RNA / スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はオリゴデンドロサイト(OL)発生に必須の転写因子であるOlig2の新規結合分子として同定したObp2 (Olig2-binding protein 2 )の、OL最終分化過程における機能を解明することを目的として実施している。今年度はMBP-Cre;Obp2 cKOマウスにおけるOL分化への影響を調べるために、BrdUによる OL前駆細胞(OPC)の運命追跡実験を行った。出生14日目にマウス腹腔内にBrdUを導入し4週間後に解析したところ、Obp2欠損マウス脊髄におけるBrdU/CC-1共陽性OL数の有意な減少が確認された。一方、出生後14日目にBrdUを導入し、6時間後に解析したところBrdU陽性OPC数が有意に増加していた。このことから、Obp2欠損マウス脊髄ではOL分化が抑制されることが示唆された。トランスクリプトーム解析の結果、Obp2欠損脊髄ではOL分化とミエリン化に関与するBcas1 mRNAのスプライシング異常が検出された。さらに、スプライソソームの構成因子である複数のsnRNAの発現が有意に低下していることを確認した。先行研究により、OPCにおけるObp2の欠損はp53関連遺伝子のスプライシングの攪乱によるp53経路の活性化が起こり、細胞死および細胞周期停止に至ることが明らかになっている。しかし、成熟OLにおけるObp2欠損ではp53経路の活性は認められなかった。一方で、p53標的遺伝子であり、複数のストレスシグナルの標的遺伝子でもあるp21の発現亢進は認められた。このことから、Obp2欠損OLにおいてp53経路を介さないストレスシグナルの存在が示唆された。
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