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2017 Fiscal Year Research-status Report

卵管上皮ホメオスタシス維持に関わる分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17K15543
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

岩野 智彦  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10442930)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords卵管上皮 / 繊毛細胞 / エストロゲン / Notch
Outline of Annual Research Achievements

卵管上皮の細胞分化を調節する分子メカニズムを明らかにするために、ブタ卵管から上皮細胞を分離し、in vitroで初代培養する実験手法を確立した。この方法で、エストロゲン(E2)が繊毛細胞を誘導する結果を得ていた。
(1)繊毛細胞分化におけるエストロゲン受容体の特異性
卵管上皮繊毛細胞の分化におけるエストロゲンの分子メカニズムを明らかにするために、エストロゲン受容体ERalpha, ERbeta, GPR30に対する各々のアゴニストPPT, DPN, G-1を投与し、繊毛細胞分化を検討した。すると、DPNを2週間投与した場合にのみ、E2と同様の繊毛細胞分化誘導を示した。このことからERbetaが繊毛細胞の分化に関与していることを強く示唆した。一方で、プロゲステロンの同時投与はエストロゲンの繊毛誘導効果に大きく影響を与えなかった。
(2)繊毛細胞分化におけるエストロゲン経路とNotch経路の相互作用
卵管上皮繊毛細胞分化はNotch経路の抑制で誘導されることはすでに報告されていた(Kesslerら,Nat. comms. 2015)。そこでエストロゲン経路とNotch経路の相互作用に関して調べた。Notch阻害剤DAPTをE2投与の前に3、5、10日間処理した場合に、繊毛分化にどのように影響を及ぼすかを検討した。すると、DAPTを5日間処理後、10日間E2処理した場合に、E2のみ処理した場合と比較して有意に繊毛細胞への分化率が増加した(35% vs 18%)。一方で、E2処理24時間後のNotchリガンドであるDll1, Jag1, Jag2の発現をQPCRで調べると、Dll1が有意に減少していた。このことは、Notchシグナルの抑制はエストロゲンの繊毛誘導効果を促進させ、さらにエストロゲン経路はNotchリガンドの発現を低下させ、Notchシグナルを抑制していることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画していたエストロゲン経路の詳細と、Notchシグナル経路との関係は明らかになった。
一方で、エストロゲン受容体の特異性をより直接的に示すために、レンチウイルスによるノックダウン実験を試みていたが、ブタに効率良く作用するノックダウンベクターの構築、高タイターのレンチウイルスが調製できていないことがあり、未だ達成されていない。
Notchシグナルの関連性を調べるために、阻害剤投与による機能阻害実験を行い、繊毛細胞分化への寄与を明らかにした。
しかしながら、逆に機能増強する実験に関しては行えていない。計画では活性型Notch(NICD)の強制発現をレンチウイルスベクターで行う予定であったが、上記のようにレンチウイルス実験が進んでいないため、達成できていない。

Strategy for Future Research Activity

エストロゲン受容体の特異性に関しては、レンチウイルス実験系を確立し、ERa, ERb特異的ノックダウン実験を行う。受容体の活性化を証明するために、リン酸化受容体特異的抗体を用いたウエスタンブロット解析を行う。
Notchシグナルに関して、過剰発現が繊毛細胞を抑制するかどうかを明らかにする。そのために、NICDをレンチウイルスベクターを用いてNICDを卵管上皮細胞へ発現させる実験を行う。並行して、リガンドであるDll1をフィーダー細胞にトランスフェクションし、その上に上皮細胞を培養して検討する。
最近の実験から、EGFが繊毛細胞分化を抑制していることが分かった。そのことを確かめるために、EGF阻害剤を投与し、繊毛細胞分化を促進するかを調べる。さらに、EGF経路がエストロゲンやNotchシグナルと相互作用しているかも検討する予定である。
エストロゲンによる繊毛細胞分化誘導の際にどのような遺伝子発現が変化しているかを網羅的に調べるためにGeneChipを予定しているが、ブタのマイクロアレイは一般的ではないので、マウスもしくはラットの卵管上皮細胞の分離を試み、その上で遺伝子発現解析を行う予定である。

Causes of Carryover

購入した幾つかの試薬の価格がキャンペーンで予定より下回ったため。
次年度は卵管上皮細胞培養の消耗品に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Estrogen promotes the fallopian tube epithelial multiciliogenesis through estrogen receptor beta2018

    • Author(s)
      Maobi Zhu, Tomohiko Iwano, Sen Takeda
    • Organizer
      第123回日本解剖学会総会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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