2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K15547
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森脇 健太 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70778068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
栄養素などの選択的透過性と細菌に対する生体防御バリアーという腸組織が有する特性は、腸の上皮により支えられており、その形成・機能異常は、栄養失調、慢性炎症、癌などを引き起こす。腸上皮細胞内では、方向性を持つ細胞内小胞輸送(極性輸送)が行なわれている。申請者は、前年度までに細胞内小胞輸送関連分子Rab6aの小腸特異的ノックアウトマウスが、小腸上皮形成異常により生後すぐに死亡するという結果を得ていた。そこで本研究では、小腸特異的Rab6aノックアウトマウスを用いて、Rab6がどのようにして小腸上皮の形成を制御し、個体の生存に寄与するかを明らかにすることを目的とした。 平成29年度では、小腸特異的Rab6aノックアウトマウス由来の小腸の形態学的解析を中心に行なった。TUNEL染色の結果より、コントロールマウスに比べてRab6aノックアウトマウスの小腸上皮において細胞死が強く検出された。また、ノックアウトマウスの小腸組織内で炎症性サイトカインの発現が増加しており、Rab6a欠損により炎症が起きていることが分かった。アピカル膜に局在することが知られている分子(DPPIVなど)やバソラテラル膜に局在する分子(E-カドヘリンなど)の局在には異常は見られなかった。以上のことからRab6aは小腸上皮細胞内における極性輸送に必須ではないと考えられるが、その生存に非常に重要な役割を果たしていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rab6aは小腸上皮細胞内における極性輸送に必須ではないと考えられるが、その生存に非常に重要な役割を果たしていることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では更なる形態学的解析を行い、小腸においてどのような異常が見られるかを検討する。また、in vitroの系を用いてより詳細な解析を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定金額と実際の執行金額が非常に少額異なっているが、研究計画に変更はなく、次年度に全額執行予定である。
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