2017 Fiscal Year Research-status Report
3D-CLEM analysis of the membrane structure in autophagy
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17K15550
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
角田 宗一郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80551209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / メンブレントラフィック / Atg9 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本件研究課題ではオートファジーに関わる膜構造の解析を目的として研究を行っている。年度前半では、主要な研究対象のひとつであるオートファジー関連因子ATG9Aとその相互作用因子Rab1についての研究を進めた。特に光-電子相関顕微鏡解析法(CLEM)と電子顕微鏡解析によりこれらのタンパク質の機能解明に繋がる結果を得ることに成功し、成果を学術論文として報告した(Kakuta S, Yamaguchi J, Suzuki C, Sasaki M, Kazuno S, Uchiyama Y. Small GTPase Rab1B is associated with ATG9A vesicles and regulates autophagosome formation.FASEB J, 31(9):3757-3773, 2017)。 またCLEMと3次元電子顕微鏡解析を組み合わせる方法の開発を進めており、共焦点レーザー蛍光顕微鏡による3次元像と収束イオンビーム搭載走査電子顕微鏡(FIB-SEM)の3次元像とを組み合わせる基本的な手法を確立した。これによりオートファジー関連膜構造の3次元CLEM解析を行った結果を2度の学術会議で報告した。この手法を用いてオートファジー関連因子p62の3次元蛍光像を取得、同じ試料でFIBSEMによる3次元電子顕微鏡観察を行い、蛍光標識したミトコンドリアを目印として両者を統合することでp62陽性の膜構造の3次元的な解析を行うことが出来た。現在の手法には空間的な制限や、3次元像取得に失敗することがあるなどの欠点があり、今後はこの点の改良を行っていく。方法を確立したのちに解析対象を広げてより様々な細胞種・実験条件で研究を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度前半では、これまでの研究成果をまとめて論文として発表することができた。その後本研究課題の中心である3次元CLEM解析の方法確立を目指して研究をすすすめ、基本的な手法を開発することが出来た。関連タンパク質p62の蛍光観察を行い、またミトコンドリア蛍光タンパク質をCLEMの指標として用いて、p62陽性の構造がオートファジー欠損細胞においてどのような膜構造に局在しているのかを3次元電子顕微鏡解析により観察することが出来た。ここまでの成果を学術会議で発表したものの、本格的な研究推進にはまだ手法的に課題が残っているため、その後はより確実に早く解析を行うための改善を試みている。前半はかなり順調に進んだものの、後半は装置(電子顕微鏡)のトラブルが相次ぎ予定通りに進められなかったため、年間を通すとほぼ予定通りの進歩となった。
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Strategy for Future Research Activity |
装置のトラブルが解決したため、今後の解析は予定通り進展すると期待できる。3次元CLEMの手法の改善としては、新しい蛍光染色剤の使用やFIB-SEMによる切削方法の変更により、より正確にCLEMを行うことを目指す。確立した手法を用いてp62以外にLC3等のオートファジー関連タンパク質を用いた様々な細胞種で3次元CLEMを行い解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
年度末に購入予定であった試薬の納品が間に合わなかったため。繰越分は翌年度初めに当該試薬の購入費として使用した。
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Research Products
(5 results)