2019 Fiscal Year Research-status Report
モノアミン系神経伝達物質に関連した睡眠時ブラキシズムの神経生理学的検討
Project/Area Number |
17K15555
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井川 泰葉 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70779264)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ブラキシズム / マウス / セロトニン / SSRI |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズム(SB)は、覚醒反応に関連した、GrindingやClenchingを特徴とする反復性の咀嚼筋運動と定義され、その力学的作用は顎口腔系へ破壊的に作用し、歯科治療の予後を大きく左右し得るが、発症メカニズムは不明な点が多い。また、ブラキシズムは、ストレスや薬物、遺伝的要因など、さまざまな因子が複合的に関与する多因子疾患であり、マウスピース等の対症療法が第一選択となっているのが現状である。従って、より良い歯科診療ならびに口腔環境の向上のためにはブラキシズムの治療法の開発は必須であり、睡眠時ブラキシズムの発生メカニズムを解明することは歯科医学分野にとって急務である。睡眠時ブラキシズムのリスクインジケーターとして、先天的要因である遺伝子多型、後天的要因であるストレス、薬物等が報告されている。薬物においては、SSRI: セロトニン再取り込み阻害薬、SNRI: セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、合成麻薬などとの関連が報告されており、特にSSRIは、抗うつ薬の一種で、シナプス間隙にあるセロトニン量を増やすことで薬効を発揮する一方、ブラキシズムを誘発する可能性が報告されている。これまで、ヒトのSB増悪が報告された薬物(SSRI:シタロプラム)を動物モデル(マウス)に慢性的に投与して咬筋筋活動を24時間記録し、Non-REM睡眠中の高い筋活動を示す時間が有意に増加することを示した。前年度までには、これまでに示したSSRI投与による咬筋活動への影響を、生理化学的に検討するため、ELISAを用い、SSRIを慢性的に投与したマウスの血中セロトニン濃度の測定を行い、当該年度は、得られた実験結果に対して解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度初めは、前年度の実験に対する解析を行った。後半は研究者の体調不良により、当初の予定通りに解析や執筆が進まず、予定より遅れている状況となり、次年度への延長を希望し、申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、これまでの実験データの解析や執筆、それに伴う追加実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究者の体調不良のため、当初予定していたものよりもデータ解析や執筆が進まなかった。次年度は、追加実験におけるマウスや薬剤の購入、論文投稿時にも研究費を必要とすると考えられるため、次年度使用額が生じている。
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