2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K15559
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森田 知佳 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70763796)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スフィンゴシルホスホリルコリン / Fyn / 脳底動脈 / SPC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、『野生型および2種類の遺伝子改変マウスの脳底動脈とくも膜下出血モデルを用いて、組織・生体レベルでsphingosylphosphorylcholine(SPC)/Fyn/新規分子X/Rhoキナーゼ経路がSAH後の遅発性脳血管攣縮の治療標的分子である可能性について検討すること』である。 2020年度(2020年4月~2021年3月)は、自家繁殖により得られたFyn KOマウスの脳底動脈のSPCに対する反応性について、野生型マウスと比較検討を行うことができた。脳底動脈は収縮状態の不安定性が見られることから、比較的安定的な収縮が観察される前腸間膜動脈における反応性についても検討を行うことができた。新規分子X CKOマウスについては前腸間膜動脈の実験を実施し、新たな飼養条件の設定が必要であることが示唆された。くも膜下出血モデルについては、例数を重ねること、さらに機器(脳血流計)の条件検討を行うことが必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実際には進捗状況は(3)やや遅れている~(2)おおむね順調の間と思われる。 (2)おおむね順調とした理由としては①HeteroとFyn KOの掛け合わせで生まれたFynKOマウスが、実験可能な数、得られたこと、②Fyn KO脳底動脈および前腸間膜動脈のSPC誘発収縮については結論が得られたこと、③新規分子X CKOマウスについては、前腸間膜動脈の検討を行なえたこと、および飼養条件の違いによりSPC誘発収縮反応が異なる可能性が示唆されたこと、があげられる。 (3)やや遅れている理由としては、④上述(2)③の飼養条件の違いによるSPC誘発収縮反応が異なる可能性について、新たに検討する必要があること、⑤ワイヤーミオグラフの故障(4チャネル中、1チャネルが故障)して使うことができず、実験の遅れが生じていること、⑥脳血流計の条件検討を行う必要があること、があげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はFynKOマウスのSPC誘発収縮について検討がひと段落したため、2021年度は新規分子X CKOマウスについてSPC誘発収縮を検討することに集中する。 さらにSPC誘発収縮に影響を及ぼす、飼養条件の違いが何か、その期間についても野生型マウスにおいて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナウイルス拡大に伴い学会がオンライン開催となり、旅費が未使用となったこと。ワイヤーミオグラフの修理が必要であったが、実験計画上の都合により修理に出すタイミングを失い保留となっていたため。 使用計画:ワイヤーミオグラフの修理(20~30万円)、抗体の購入(20~30万円)、マウスの購入(5~10万円)
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Research Products
(9 results)