2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cardiovascular protective effect by adaptation and maintenance in response to continuous exercise training
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17K15585
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
冨田 拓郎 (沼賀拓郎) 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 助教 (60705060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 運動 / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドキソルビシン(DOX)は様々な悪性腫瘍に有効な抗腫瘍薬である一方で、重篤な心毒性が副作用として問題視されている。当部門では、DOX誘発性の左心室拡張にはTRPC3-Nox2の機能連関が重要であることを明らかにしてきた。TRPC3-Nox2の機能連関の亢進に伴う過剰な活性酸素種生成が様々な心臓に対するストレス負荷による機能低下の主要な原因と考えられた。これまでに、自発的運動がDOXの心毒性を軽減する効果があることが明らかにされていた。そこで、運動負荷によるTRPC3-Nox2の機能連関への影響および心臓におけるTRPC3-Nox2機能連関の生理的な意義の解明を行った。その結果、運動負荷は心臓におけるTRPC3及びNox2のタンパク質発現量を低下させることを明らかにした。また左心室における圧-容量曲線の解析から、自発的運動群のマウスにおいて、心臓は非運動群のマウスに比べて、より柔軟になり、容量負荷に伴う駆出力の上昇も亢進していることを明らかにした。この結果と一致して、TRPC3の欠損マウスにおいても、野生型マウスに比べて、左心室の柔軟性の向上および心機能の亢進が確認できた。これまでの研究において、TRPC3-Nox2の機能連関は、心線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を誘導し、それにより心臓が硬化すると予測してきた。しかしながら以上の結果は、TRPC3-Nox2の機能連関は、生理的条件下においては、筋原性に心臓の柔軟性制御に関わる重要な役割を果たしていることを強く示唆した。
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Research Products
(6 results)