2017 Fiscal Year Research-status Report
HOIL-1Lによる細胞死制御機構と生理意義の解明
Project/Area Number |
17K15594
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 宏明 京都大学, 医学研究科, 助教 (90738006)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ユビキチン / 細胞死 / LUBAC |
Outline of Annual Research Achievements |
直鎖状ポリユビキチン(Ub)鎖を特異的に生成するLUBAC Ubリガーゼは活性中心を有するHOIP, アクセサリー分子であるHOIL-1L, SHARPINの三者複合体から成り、NF-kB活性化、細胞死の抑制に関与する。LUBACの興味深い点として、HOIPに加えHOIL-1LにもUbリガーゼ活性が存在することが挙げられるが、HOIL-1LのUbリガーゼとしての機能は不明であった。そこで、HOIL-1LのUbリガーゼ活性を欠損した細胞を樹立し解析したところ、驚くことに野生型HOIL-1Lを発現する細胞に比べ、TNF-α刺激による細胞死が顕著に抑制されることが分かった。次にHOIL-1Lによる細胞死制御機構のメカニズムを探索した。LUBACによる直鎖生成は細胞死を抑制することが既に知られているため、HOIL-1Lの活性がLUBACの直鎖生成に与える影響を解析した。その結果、HOIL-1L 変異型を含むLUBACではHOIL-1L 野生型を含むLUBACに比べ、直鎖生成能が顕著に亢進していることが分かった。さらに、HOIL-1LがLUBACの活性を制御するメカニズムを探索した。HOIL-1L野生型、変異型を発現する細胞のHOIL-1Lの状態を評価した。その結果、野生型においてはHOIL-1LがUb化されていたが、変異体ではUb化が消失していることを見出した。そこで、HOIL-1Lの自己Ub化が細胞死の制御に重要か解析した。HOIL-1Lのリジン残基を全てアルギニン残基に置換し、Ub化されないHOIL-1L変異体を作成し細胞死を解析したところ、変異体においては細胞死の抑制が認められた。これらの結果からHOIL-1Lは自己をUb化することで、その結果LUBACの活性を抑制し、細胞死を制御することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HOIL-1LがLUBACをUb化することで活性を制御し、細胞死を制御するメカニズムを明らかにできた。それらに加え、HOIL-1Lの活性を消失させた変異マウスを樹立した。HOIL-1L変異体を発言するマウスにおいては各臓器において直鎖Ub量が顕著に亢進し、その結果細胞死に対して抵抗性を有することがわかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
HOIL-1LによるLUBACの制御メカニズム、またその生理的意義をマウスを用いて明らかにできている。今後、データをより強固なものにするための追加実験に加え、本年度中の論文化を目指す。
|
Causes of Carryover |
作成したマウスの解析に必要な経費と論文化に必要な経費を算出するため。
|
-
[Journal Article] Cooperative domain formation by homologous motifs in HOIL-1L and SHARPIN plays crucial roles in LUBAC stabilization2018
Author(s)
Hiroaki Fujita, Akira Tokunaga, Satoshi Shimizu, Amanda L. Whiting, Francisco Aguilar-Alonso, Kenji Takagi, Erik Walinda, Yoshiteru Sasaki, Taketo Shimokawa, Tsunehiro Mizushima, Izuru Ohki, Mariko Ariyoshi, Hidehito Tochio, Federico Bernal, Masahiro Shirakawa, and Kazuhiro Iwai
-
Journal Title
Cell Reports
Volume: 23
Pages: 1192-1204
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research