2017 Fiscal Year Research-status Report
大腸発癌モデルでのアスピリンとメトホルミン併用によるアドオン効果の検討
Project/Area Number |
17K15602
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
有本 純 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (80784842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 化学予防 / アスピリン / メトホルミン |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌は罹患率・死亡率ともに全世界的に増加傾向であり、早急な対策が必要である。大腸癌に対する対策として化学予防(chemoprevention)が注目されており、アスピリンは実用性があると判断されている。近年、糖尿病治療薬であるメトホルミンにより大腸ポリープの抑制効果があることを我々のグループから報告したが、今回の研究ではアスピリンとメトホルミンのコンビネーションにより更に高い予防効果をもたらせるかどうかを検証することを目的としている。ともに予防効果があると示されており、2つを組み合わせることにより高い予防効果を発揮することが出来れば、アスピリン増量による副作用の心配なく大腸癌を予防することが可能となり、本研究は大腸癌予防のために新展開をもたらす研究だと考えている。アスピリンとメトホルミンの併用は乳癌や膵癌においては報告はあるものの大腸癌においても同様に効果があるかは現在解明されていない。しかし、他臓器においては併用によるシナジー効果が報告されており、大腸癌においても2剤を併用することでより高い予防効果を発揮できると予想している。大腸癌モデルマウスを用いてコントロール群、アスピリン投与群、メトホルミン投与群、2剤併用群で4群比較を行い、アスピリンとメトホルミン併用によるシナジー効果が生まれるかを検証することを目的として進めている。それぞれの群に対して発癌物質であるアゾキシメタンを投与し、マウスにおいては前癌病変とされているACF(Aberrant Crypt Foci)数を比較する。大腸癌化学予防のプロトコール確立を目指して本研究を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はマウスの餌を粉餌として、粉餌の中にアスピリンやメトホルミンの粉末薬を混入して投与している。問題点として当初は粉餌をマウスが摂食しないという問題点が起きたためやや進行が遅れた。これに対しては、新しい給餌器に変更することで対応可能であった。その後は問題なくマウスは摂食している。次の問題点として所属施設の動物センターに蟯虫が発生したために一時的に実験を中止せざるを得なかったため全体的に遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のエンドポイントとしているACFの形成にややばらつきがあり、コントロール群のACF数が少ないのが課題である。コントロール群である程度ACFが出来なければ投薬群と比較できないので、より多くのACFが出来る投与方法、doseなどを確立できるように現在調整して実験を進めている。
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