2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of B cell function on chronic inflammatoryresponse in metabolic syndrome
Project/Area Number |
17K15614
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内仲 彩子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (40746921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / B細胞 / PTEN |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドローム(MetS)の動物モデルDahlS.Z-Leprfa/Leprfa (DS/obese)ラットとその対照動物であるDahlS.Z-Lepr+/Lepr+ (DS/lean)ラットを8週齢で入手し、9週齢にPTEN阻害薬 (bisperoxovanadium-pic, 0.2 mg/kg, i.p.)投与群と非投与群に分け、さらにDS/obese ラットについては拘束ストレス(2時間/日、午前)負荷群と非負荷群 に群分けした。11週齢に心形態・機能評価を行った後、臓器摘出を行い、MetS病態への効果を多面的に解析した。 拘束ストレス負荷を与えたDS/obeseラットにおいてPTEN阻害薬は摂食量や体重、左室肥大には影響を及ぼさなかったが、高血圧、左室拡張障害、心筋線維化、心筋炎症を改善した。また、拘束ストレスによりCD31免疫染色で示される心筋毛細血管密度の減少とVEGFの心筋発現の低下が認められた。さらに、拘束ストレスは脂肪量と脂肪細胞のサイズには影響を及ぼさなかったが、脂肪炎症を増悪させるとともに、Breg細胞比率の減少およびCD8+T細胞比率の増加を惹起した。拘束ストレス負荷によるこれらの効果はすべてPTEN阻害薬により抑制された。 以上の結果より、拘束ストレス負荷を与えたDS/obeseラットにおいて、PTEN阻害薬投与は、左室心筋の炎症や線維化、左室拡張障害を抑制した。またPTEN阻害薬は皮下脂肪・内臓脂肪組織炎症を抑制した。DS/obeseラットにおいて拘束ストレスにより悪化した心筋炎症の改善の少なくとも一部はPTEN阻害薬により血管新生が促進し、低酸素状態が改善したことに起因することが示唆された。また内臓脂肪炎症が抑制された要因として、炎症抑制方向へと拘束ストレスによる内臓脂肪組織の炎症制御細胞の分布が変化したことが考えられる。
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