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2017 Fiscal Year Research-status Report

インターロイキン11産生癌関連間質細胞による腫瘍形成促進機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17K15626
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

仁科 隆史  東邦大学, 医学部, 助教 (50598365)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords大腸癌 / レポーターマウス / 間質細胞 / Interleukin-11 / APCmin/+マウス / 炎症誘発性大腸癌 / 散発性大腸癌 / 癌関連間質細胞
Outline of Annual Research Achievements

代表者は予備的研究から大腸癌促進に働くサイトカインIL-11 が癌細胞ではなく、その周囲に存在する間質細胞で特異的に産生されていることを見出した。本年度では、いまだ不明な癌関連間質細胞の制御機構を明らかにするためにIL-11を産生する間質細胞の特性と機能的役割を明らかにすることを目的に、研究計画に沿い以下の2項目に着目して解析を行った。

(1: 大腸癌時におけるIL-11産生癌間質細胞の特性の解明) 腫瘍形成に関わるIL-11の産生細胞を同定ために、我々が樹立したIL-11 レポーターマウスを用いて炎症誘発性大腸癌モデルマウスを作製、またはAPCmin/+マウスと交配し散発性大腸癌モデルを作製し、in vivo でIL-11 産生細胞の同定を試みた。その結果、IL-11の産生細胞が腫瘍形成に伴って、腫瘍間質領域に出現することを確認し、フローサイトメトリー及び免疫組織学的解析から産生細胞を各種分化マーカーや特異的細胞表面タンパク質から特徴付けることができた。実際に、これらのマーカー発現が、ヒト病理所見と一致するかを、ヒト大腸癌検体(大腸腺腫、進行癌)をもちいて免疫組織学的解析を行った。その結果、腫瘍間質領域でIL-11の発現が確認され、マウスモデルの結果と相関した細胞分化マーカーの発現が見られる事が分かった。

(2: 大腸癌におけるIL-11 産生機構の解明) どのようにしてIL-11の産生が誘導されているかを明らかにするために、過去の報告からIL-11 の産生誘導することが報告されているサイトカインが、腫瘍部位において高発現しているかを調べた。その結果、報告されている分子において、わずかながらでは腫瘍部における発現亢進が見られた。しかしながら、この分子に対する中和抗体を用いてもIL-11産生に影響が見られなかったことから、他の経路を介して産生が誘導されている可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

大腸癌マウスモデルおよび、ヒト大腸癌腫瘍検体を用いた解析から、今まで不明な点が多かったIL-11産生細胞の特徴付けを行うことが出来ている。また、現在間質細胞特異的な分子群の発現も解析しており、より詳細な特徴付けが進むと考えられる。また、IL-11産生機構も当初想定されていた経路とは違う機構の関与が示唆されたため、これらの点を明らかにすることは、いまだ不明な点の多い癌関連間質細胞の制御機構の理解につながるものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

(大腸癌時におけるIL-11 産生癌間質細胞の特性の解明) 大腸癌モデルマウスを用いてIL-11産生細胞の更なる詳細な特徴付けのために、EGFP 陽性細胞をセルソーターにより分取し、陽性細胞と非陽性細胞を比較するマイクロアレイ解析を行い、IL-11 産生細胞で特異的な遺伝子群を明らかにする。これにより、陽性細胞が発現する細胞特異的なマーカー遺伝子を特定できるだけでなく、IL-11 以外に腫瘍形成促進に関わる分子群や、癌関連間質細胞のマーカーとなる分子群も同定できると考えられる。また、ヒト大腸早期癌検体におけるIL-11産生細胞のIL-11 産生細胞の同定を試みる。

(2. 大腸癌におけるIL-11 産生機構の解明) どのようにしてIL-11の産生が誘導されているかを明らかにするために、他の候補誘導因子の関与を阻害剤、中和抗体などを用いて明らかにしていく。

(IL-11 産生癌間質細胞の機能的役割の解明) IL-11 産生細胞で特異的に発現している細胞表面マーカーや転写因子に着目し、癌関連細胞のマーカーとなる分子を探索する。

Causes of Carryover

DNAマイクロアレイ法を用いた解析を計画していたが、条件検討などの関係上、次年度に行うこととした。よって、繰り越し金は、物品費として計上し、遺伝子発現解析を行う。

  • Research Products

    (10 results)

All 2018 2017 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) Presentation (6 results) Remarks (2 results)

  • [Int'l Joint Research] ミシガン大学(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      ミシガン大学
  • [Journal Article] 親電子物質によるインターロイキン-11の発現制御と生体における役割2017

    • Author(s)
      仁科 隆史、出口 裕
    • Journal Title

      臨床免疫・アレルギー科

      Volume: 68 Pages: 556-562

  • [Presentation] インターロイキン(IL)-11 を介した腸管の恒常性維持機構の解明2018

    • Author(s)
      仁科 隆史、 出口 裕、 竹田 若水、 大村谷 昌樹、 田中 正人、 中野 裕康
    • Organizer
      第2回 酸素生物学・ダイイングコード 合同若手会議
  • [Presentation] 家族性大腸腺腫症および、クローン病モデルマウスにおけるインターロイキン11 産生細胞の同定2018

    • Author(s)
      竹田 若水、仁科 隆史、 西山 千春、 中野 裕康
    • Organizer
      第2回 酸素生物学・ダイイングコード 合同若手会議
  • [Presentation] Rorγt-positive cells mediate RIPK3- and MLKL-dependent lethal ileitis in neonatal mice2018

    • Author(s)
      進藤 綾大、大村谷 昌樹、駒澤 幸子、三宅 早苗、山﨑 創、仁科 隆史、三上 哲夫、荒木 喜美、中野 裕康
    • Organizer
      第2回 酸素生物学・ダイイングコード 合同若手会議
  • [Presentation] 親電子リガンドによるIL-11産生機構とその生体における役割の解明2017

    • Author(s)
      仁科 隆史、出口 裕、三浦 亮介、山﨑 創、新開 泰弘、小島 裕子、奥村 康、熊谷 嘉人、中野 裕康
    • Organizer
      第44回日本毒性学会学術年会
  • [Presentation] Ⅱ型肺胞上皮細胞障害の障害と再生に関する解析2017

    • Author(s)
      三好 嗣臣、黒澤 武介、仁科 隆史、山崎 創、本間 栄、中野 裕康
    • Organizer
      第26回日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] RORγt陽性細胞はRIPK3およびMLKL依存性に小腸炎を誘導する2017

    • Author(s)
      進藤 綾大、大村谷 昌樹、駒澤 幸子、三宅 早苗、山﨑 創、仁科 隆史、小西 博之、木山 博資、三上 哲夫、荒木 喜美、中野 裕康
    • Organizer
      第26回日本Cell Death学会学術集会
  • [Remarks] 東邦大学医学部生化学講座

    • URL

      http://tohobiochemi.jp/index.html

  • [Remarks] 東邦大学 教育・研究業績データベース 仁科 隆史

    • URL

      http://gyoseki.toho-u.ac.jp/thuhp/KgApp?kyoinId=ymbygyyyggy

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Published: 2018-12-17   Modified: 2022-02-21  

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