2018 Fiscal Year Research-status Report
3次元培養を用いた肺癌の発生・浸潤における癌間質の役割及び機能解析
Project/Area Number |
17K15638
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 茂樹 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (30707021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 / 間質 / 3次元培養 / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌細胞株(A549、H522等)及び肺線維芽細胞(IMR-90、MRC-5)の種類を増やして、3次元培養を行った。また、細胞量やマトリゲルの種類や濃度の調整についても検討した。 免疫組織化学的には、サイトケラチンやVimentin等の数種類の抗体で染色可能であることが確認された。microRNA in situ hybridization(ISH)に関しては、発現量の多いとされるmiR-21に加えて、miR-98、miR-199aなどでの検討を行ったが、染色性は弱く、さらなる検討が必要と考えられた。miR-199aの標的遺伝子であるcaveolin-1については、免疫染色の条件検討を終了している。 肺癌手術例のホルマリン固定パラフィン包埋材料(FFPE)での肺腺癌間質の線維化の量や種類については検討を継続した。昨年行われているScar gradeや浸潤径、Fibrous scar内への腫瘍浸潤については症例数を増やして検討し、肺癌や多臓器の癌での文献等を参考に腫瘍胞巣周囲の線維増生や腫瘍周囲の線維化の幼若度等も評価した。線維化巣の腫瘍の局在や腫瘍量、腫瘍胞巣間の間質量では、予後との相関が認められた。 Tissue micro array(TMA)に対しては、CAF関連蛋白としてα-SMA, calumenin, podopraninの染色を施行した。また、miR-21のmicroRNA ISHも施行済みである。引き続き臨床病理学的因子や予後などについての単変量・多変量での解析を進める予定である。今後も追加で検討する因子(CAF関連蛋白やmicro RNA等)に関しては,効率化及び費用の点からTMA の利用を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
microRNAに対する ISHの染色性が弱く、引き続き検討を行っている。3次元培養の方法の検討についてもやや進行が遅れている。tissue micro array(TMA)の利用等も行い、当初の予定通りの進行を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 3次元培養やmicroRNA ISHについては、早急に条件を決定する。 2. 2次元培養でCAF関連蛋白などの強制発現や発現抑制を行い、増殖能や浸潤能の観察を行い、RNA、タンパクレベルでの変動を観察する。 3. 強制発現、発現抑制を行った細胞株を用いた3次元培養を行い、標本を作製する。浸潤の有無や細胞株の形態的変化、IHCなどでの各因子の発現、局在を観察する。 4. 肺癌手術症例のFFPE標本での検討については、得られたデータの解析や予後因子などとの関係を検索する。
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Causes of Carryover |
手術材料でのFFPE検体での検討やin situ hybridization等での検討はあったが、進行がやや遅れているため、費用の比較的多くかかる細胞株での強制発現系・発現抑制系等での検討に至っていないためと考えられる。次年度では、それらの分子病理学的な検索も加えて、検討を進める予定である。
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Research Products
(5 results)