2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of cancer stroma in the development and invasion of lung cancer using three-dimensional cell culture
Project/Area Number |
17K15638
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 茂樹 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (30707021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 / 間質 / 3次元培養 / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元培養では、細胞量及びコラーゲンゲルの種類、手順を決定し、ホルマリン固定パラフィン包埋材料(FFPE)を用いて免疫組織化学的検索(α-SMA, podoplanin, CD10など)を施行した。癌細胞株に接する線維芽細胞の一部でα-SMAやCD10の陽性像が確認され、相互作用による線維芽細胞の活性化が考えられた。microRNA in situ hybridization(ISH)に関しては、 発現量の多いmiR-21で検討を行ったが、3次元培養の標本では染色性が弱く、組織標本で検討することとした。 肺癌手術例のFFPEでの肺腺癌間質の線維化の検討では、症例を91例まで増やした。線維化巣の腫瘍の局在や腫瘍量、腫瘍胞巣間の間質量では、予後との相関が認められた。また、レーザーマイクロダイセクションで分取した癌細胞及び癌間質で miR-21の高発現が見られることをRT-PCRで半定量的に確認した。 Tissue micro arrayを用いてCAF関連蛋白(α-SMA, calumenin, podoplanin, periostin)の免疫組織化学及びmiR-21のmicroRNA ISHの評価を行った。α-SMA陽性の筋線維芽細胞に一致してmiR-21及び他のCAF関連蛋白の高発現が観察された。CAFでのmiR-21及びcalumeninの高発現が肺腺癌患者の予後不良因子と考えられた。また、CAFの一部ではリン脂質の輸送に関与する蛋白であるperilipin 2の陽性像も見られた。 miR-21は肺線維芽細胞中でのcalumeninの発現を増加させることが観察された。肺癌細胞株(A549)のconditioned media(CM)中では肺線維芽細胞株のmiR-21発現が亢進し、逆にmiR-21を過剰発現させた線維芽細胞株のCM中では、肺癌細胞株の増殖能、浸潤能が亢進した。 本研究では3次元培養法モデルの確立とともに、癌間質でのCAF 関連遺伝子やmiR-21の局在、機能解析及び臨床病理学的因子との関係の一端を明らかにし、所期の研究目的に達したと考えられる。
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Research Products
(6 results)