2018 Fiscal Year Annual Research Report
A pre-clinical stage marker for Alzheimer's disease
Project/Area Number |
17K15646
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
不破 尚志 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50570719)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー / 老人斑 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、国内の認知症患者数は500 万人を越えている。高齢化がさらに進む2025年には、認知症患者は700万人に達すると推計され、医療保険上の大きな問題となりうる。アルツハイマー病は認知症の6~7割を占める。アルツハイマー病の予防や治療が奏功するには、神経細胞死が起こる前の確定診断が望ましいが、現在は神経細胞死が進行した後にならないと診断がつかない。そこで、申請者らは、プレクリニカル期を標的とした早期診断法の開発が必要であると考えた。申請者らは、すでに、脳脊髄液中に存在する糖タンパク質GP1が部分的に老人斑に局在することを見出だしていた。そこで、本課題では、アルツハイマー病のモデルとして広く受け入れられている“アミロイド蓄積マウス”におけるGP1および老人斑形成の経時変化を解析し、GP1の早期バイオマーカーとしての可能性を明らかにすることとした。 最終年度は前年度に引き続き「モデルマウスからのサンプリング」を実施した。サンプリングについては前年度分もあわせて、約15週毎に広い年齢域(半月~2年)の脳と脳脊髄液を採取した。このサンプリングにより時系列の解析が可能となった。すべての脳は採取時に生理食塩水で還流して脱血した。脱血により、血液由来成分の混入リスクを最小限にした。大脳の半分は、生化学的解析に用いるために凍結保存し、残りは組織学的解析に用いるために4%パラホルムアルデヒド液で固定した。固定脳はパラフィンで包埋したのち切片の作成に用いた。生化学と組織学に半脳ずつ用い、それぞれから得られた結果を個体番号で紐づけし活用する予定である。 申請者は、本年度末でアカデミック・ポジションを離れることになったが、解析の基盤を整備することができた。今後、共同研究者により解析が継続される予定である。
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