2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞診検体から診断に有用な遺伝子点変異を検出・視覚化する
Project/Area Number |
17K15649
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松崎 生笛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60647428)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞診 / 点変異 / in situ / RNAscope |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞診材料を用いてin vitroとin situの両面からがん細胞の遺伝子点変異を解析する方法を開発することを目指している。 2018年度は、細胞診材料からDNAを抽出し、ダイレクトシークエンス法により、変異を検出した。細胞量や固定前の状態において、シークエンス結果への影響を検討した。このシークエンス結果を用いて、KRASおよびFGFR3などの点変異を細胞診材料から検出する計画であった。当初予定していた人工核酸と核酸増幅を組み合わせる方法より、簡便に検出できる可能性のあるBaseScopeを採用することにした。BaseScopeは RNAを従来の方法より高感度に検出・視覚化するRNAscopeを応用した方法である。細胞診材料にBaseScopeを用いて、点変異を検出した報告は過去になく、これを確立することは、細胞診断の正診率の向上のみならず、治療戦略を立案するためのコンパニオン診断に大きく寄与することができると考えている。2018年度は、培養細胞を用いて、in situでFGFR3点変異の検出の条件設定を行い、おおよその設定を終了した。今後は条件設定を決定し、臨床検体を用いて、点変異が検出できるかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人工核酸を用いたin vitroでの点変異の検出は成功した。 一方、in situでの検出は、Rolling Circle Amplification(RCA)法の原理に人工核酸を用いたin situ LNA-RCA法を開発し、用いる予定で合ったが、in vitroで用いた条件設定では検出が困難であった。そこで、in situ LNA-RCA法より、簡便に検出できる可能性のあるBaseScopeを採用することにした。まず、Basescopeより広く知られているRNAscopeを用いて手技を確認した。その後、Basescopeを用いて新たに条件設定を行っていたため、当初の予定よりやや遅れている。しかし、培養細胞を用いたおおよその条件設定はすでに終了し、今後は臨床材料における条件設定を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞診材料を用いて、in situで点変異を検出する方法の確立を目指す。 in situ LNA-RCA法の条件を再検討し、in situでの検出を目指す。 BaseScopeを用いる方法については、細胞診材料における条件設定を決定し、尿細胞診におけるFGFR3などの点変異の検出の検討を行う。
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