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2017 Fiscal Year Research-status Report

病理組織形態学に根ざした中枢神経系胚細胞腫の分子病態の探索

Research Project

Project/Area Number 17K15659
Research InstitutionNational Cancer Center Japan

Principal Investigator

里見 介史  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (10633977)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords脳腫瘍 / 頭蓋内胚細胞腫 / 胚腫 / 免疫組織化学 / FISH
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、国立がん研究センター脳腫瘍連携研究分野(PI:市村幸一博士)と協働して研究活動を行った。当研究室は2012年にiGCT Consortiumを設立して全国的に頭蓋内胚細胞腫検体を収集しており、100例以上のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルが蓄積されている。
まず、FFPEサンプルのHE染色標本を病理組織形態学的に詳細に観察した。当研究室の研究者(高見浩数博士)と共同で、頭蓋内胚細胞腫のうち胚腫100例に対して、浸潤するリンパ球量について基礎的な検討を行った。具体的には、腫瘍細胞との比を顕微鏡下に目視で算定した結果を、DNAメチル化マイクロアレイ解析(Illumina 450k)を用いた分子生物学的な腫瘍細胞割合の算定結果と合致するかどうか比較した。比較結果は統計学的解析ののち、目視による算定結果と分子生物学的な算定結果との乖離があればその理由を、また、リンパ球量の多寡と治療効果や生存期間に影響するのかどうかなど、臨床病理学的な解析を追加する予定である。
次に、FFPEサンプルからDNAシークエンス解析、メチル化解析、コピー数解析により胚細胞腫瘍の形成に関与する候補遺伝子が同定された後に行う病理組織学的な解析手法として、免疫組織化学およびFISHが必須となるため、脳腫瘍の病理診断で必須であるH3K27me3抗体を用いて免疫組織化学の、1p/19q FISHプローブを用いてFISHの検出系を確立した。
最後に、当研究室で収集された症例コホートから、形態学的に各組織型が明確に分取しうる症例で、かつダイセクションに適した混合性胚細胞腫を選択した。さらに、複数の悪性体細胞成分を伴う胚細胞腫症例を見出し、各成分がどのような遺伝子異常を有するのか、また共通する遺伝子異常はあるのかなど、分子生物学的検討を行う候補症例とした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

国立がん研究センター脳腫瘍連携研究分野(PI:市村幸一博士)において、2012年に設立されたiGCT Consortiumを通じて収集された頭蓋内胚細胞腫検体、100例以上のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルを病理組織形態学的に詳細に観察し、マクロダイセクションないしレーザーマイクロダイセクションに適した症例を3症例程度見出した。さらに、国立がん研究センター中央病院において、複数の悪性体細胞成分を伴う胚細胞腫症例を経験した。本症例は、成人胚細胞腫に横紋筋肉腫、血管肉腫、PNET様形態を呈する複数の悪性腫瘍成分が合併しており、マクロダイセクションにより各成分を分取することが可能であることが確認された。現在、免疫組織化学およびFISH試薬の調達、検出系の条件検討の最適化が概ね完了し、さらに蛍光顕微鏡観察のための機器の習熟も完了した。現在は僅かな腫瘍含有割合でも遺伝子異常を検出できるようデジタルPCRの検出系も確立する方針とし、基礎的な検討を追加している。FFPEサンプルは一般に分子生物学的解析が困難とされており、信頼できるDNAシークエンス解析、メチル化解析、コピー数解析が行えるよう、基礎的な技術習得や条件検討も行っている。

Strategy for Future Research Activity

レーザーマイクロダイセクションだけでなく、サンプル量を確保しやすい目視によるダイセクションにより各組織型成分を分取し、標的シークエンスによる候補遺伝子の変異解析、ゲノムワイドなDNAメチル化プロファイル解析を先行して行うこととする。経験した複数の悪性体細胞成分を伴う胚細胞腫症例は十分量の腫瘍量が確保できると考えられるため、本症例を先行してDNAシークエンス解析、メチル化解析、コピー数解析を行う予定とする。ここで得られた解析結果は既に確立した病理組織学的な解析手法である免疫組織化学およびFISHにより速やかにバリデーション解析することとする。

Causes of Carryover

最も多額を要する標的シークエンス解析およびDNAメチル化アレイ解析等に関する消耗品の購入に至らなかった。
当研究室ではパイロシークエンスを始め必要な分子生物学的解析設備は揃っており、次年度、定量PCR(BioRad)、アレイスキャナー(Illumina iScan, Illumina)、蛍光顕微鏡、デジタルPCR(ThermoFischer)およびレーザーマイクロダイセクション等、各種機器の消耗品の購入に充当する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] Development of a novel FISH probe for detection of 1p/19q codeletion in routine glioma diagnosis2018

    • Author(s)
      Kaishi SATOMI
    • Organizer
      Maastricht Pathology 2018
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 1p/19q共欠失の臨床検査法確立と保険収載を目的とした新規FISHプローブ開発2017

    • Author(s)
      里見介史
    • Organizer
      第35回日本脳腫瘍学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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