2017 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーによる大腸De novo癌の進化に関わる遺伝子の解明
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17K15670
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
神山 勇太 昭和大学, 医学部, 助教 (40621719)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 陥凹型大腸癌 / 次世代シーケンサー / De novo 癌 / multi-regional analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸のInterval Cancer の責任病変として陥凹型早期癌が重要視されてきている。陥凹型大腸癌は、adenomaからAdenoma-Carcinoma sequenceを経由して発生してきたポリープタイプの隆起型癌と比べ、同Size において粘膜下層に浸潤する率が高く、隆起型癌と比べ、腫瘍径が小さいうちから、早期に進行すると考えられている。これまでの報告では、陥凹型癌は、従来のAdenoma-Carcinoma sequence (Vogelstein, et al. N Engl J Med 1988) とは異なりKRAS 変異の陰性が特徴的とされており、正常粘膜からadenomaを介さず、直接癌化したと考えられる De novo 癌であると考えられている。また、KRAS 変異陰性(60%)の進行癌の前駆病変とも考えられている。次世代シークエンサーなど遺伝子解析技術の進歩により、様々な大腸癌の遺伝子情報も明らかになっているが、陥凹型大腸癌を含め、早期大腸癌においてそれらの遺伝子が発癌や癌の進行のどの過程で発生するかは、明らかではない。 申請者らは、進行大腸癌を対象に、癌の遺伝子多様性を解析するmulti-regional analysis(MRA)を行った結果、遺伝子変異は発癌初期に発生し原発巣全域に広がる変異群と、癌進化の途中から加わる変異群で構成されることを明らかにした。 本申請課題では、陥凹型早期癌を対象に MRAを用いた多様性解析を行い、発癌の原因となる遺伝子変異および癌化のメカニズムを解明する。さらにポリープ型癌との比較検討を行い、最終的にはこの経路の癌に対する早期発見マーカーおよび新たなる治療ターゲットに繋げたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
陥凹型大腸癌の症例数が少なく、予想通りの症例集積が困難であった。既存の大腸癌切除後のFFPEからDNA抽出を行い、実験を進めていく予定とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最大の問題点であった、検体集積に関しては、陥凹型大腸癌20例および隆起型大腸癌20例の切除後のFFPEを用い、DNA/RNAの抽出を行った。 今後、そのDNAを用いて、予備実験で隆起型と陥凹型において変異数の差を認めていた遺伝子変異に関しては、Whole Exome SequenceまたはPCR法を用いて、遺伝子変異の確認を行う予定である。また、DNAコピー数異常に関しては、SNPアレイまたはPCR法を用いて行う予定である。最終的に陥凹型、隆起型で異なる遺伝子変異patternまたは、DNAコピー数異常を確認し、陥凹型大腸癌の悪性度の原因となる遺伝子変異、コピー数変異を確認して行く予定である。
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Causes of Carryover |
早期大腸癌の検体が予想より集積できず、前年度に解析を施行できなかった。切除後のFFPE切片を用いる方針とし、DNA/RNAを抽出し、次年度に解析を行う予定としたため。遺伝子解析用の物品や遺伝子解析を依頼するのに用いる予定である。
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