2019 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子発現制御にかかわる新規RNAの作用機序の解明
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17K15671
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
原田 裕一郎 東京医科大学, 医学部, 助手 (80570168)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA干渉 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内にはRNA干渉と呼ばれる特異的にターゲットとする遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する機構が存在し、このRNA干渉により遺伝子発現を抑制、低減している。RNA干渉においてターゲットとするmRNAを識別する分子としてマイクロRNA(miRNA)が重要な働きをしている。このmiRNAががんに対する分子標的薬として近年着目されている。私はmiRNAの新たな構造として短縮型miRNA(ghRNA)を開発に携わってきた。このghRNAは高いがん遺伝子抑制を示している。しかし、ghRNAはこれまでに知られているmiRNAとは構造が異なることから、ghRNAはこれまでのRNA干渉とは作用機序が異なる可能性が推察された。そこで本研究では、短縮型miRNAの作用機序を明らかにすることで、分子標的薬の開発の一助としたい。 ghRNAの作用機序を解明するため、これまでに細胞内にghRNAが内在するかどうかを検討した結果、新規ghRNAと推測される内在性の低分子RNAをいくつか見出した。そのうちの一つがU1 snRNAの一部であった低分子RNAである。この低分子RNAを内在性ghRNAと考え、培養細胞を用いて機能解析をおこなった。U1snRNAの配列からRNA干渉の標的となると予測されたがん関連遺伝子の一つであるPSAPの発現量を解析するとU1 snRNAの導入によりPSAPの発現量は有意に減少した。さらに、昨年度作製したDICER1欠損細胞株を用いた同様の機能解析ではU1 snRNAはDicer1への依存性が認められ、U1 snRNAを含むghRNAのRNA干渉にはDicer1が重要であると考えられた。一方で、同じくRNA干渉に必須な分子であるAgoタンパク質のノックアウト細胞株の作製もほぼ完了したので、ghRNAとDicer1およびAgoタンパク質との関連も検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ghRNAの探索から機能解析、および既存のRNA干渉経路との比較は予定通り進んでいる。 しかし、ghRNAと相互作用する新規タンパク質の探索はこれからである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度であるが、引き続きghRNAと既存のDicer1とAgoファミリーの関連について、各々の欠損細胞株を用いた検討をおこなう。 また、ghRNAによるRNA干渉にかかわる新規分子を探索するため、ghRNAと結合するタンパク質のプロテオーム解析を検討する。 さらにこれらをまとめた論文の作製と投稿を進めて行く。
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Causes of Carryover |
プロテオーム解析などの解析ができなかったことで繰り越しが発生しました。 次年度には、今年度進められなかったプロテオーム解析などを進めて行く予定です。
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