2019 Fiscal Year Research-status Report
Immune regulation by chemokine-receptor associating molecule FROUNT
Project/Area Number |
17K15716
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
遠田 悦子 日本医科大学, 医学部, 助教 (00589327)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ケモカイン受容体 / ケモカイン / FROUNT / マクロファージ / 適応免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマクロファージによる適応免疫応答制御におけるケモカイン受容体会合分子FROUNTの役割を明らかにすることを目的とする。これまでにFROUNTがマクロファージの活性化に関与することが判明したことから、FROUNTが単球からマクロファージへの分化過程に関与している可能性も考えられた。そこで、マクロファージ誘導条件で培養したFROUNT欠損マウスおよびコントロールマウス由来骨髄細胞について各種マクロファージマーカーのフローサイトメトリーによる解析を行った結果、FROUNT欠損マウス由来の骨髄からもコントロールと同等にマクロファージに分化誘導されていることを確認した。この骨髄細胞より分化誘導したコントロールおよびFROUNT欠損マクロファージ、およびFROUNT阻害剤処理したマクロファージの適応免疫応答修飾作用として、各種刺激後のサイトカイン産生の違いを定量PCRにより測定した。FROUNTの欠損および阻害剤処理について、異なる結果が得られており、詳細な機序について検討が必要である。本年度予定していた受容体欠損マウスにおける解析については、令和2年度に実施する予定である。昨年度に実施したT細胞とマクロファージの共培養系において、炎症抑制に重要な役割を担う制御性T細胞の分化誘導条件におけるマクロファージの共培養による影響を解析したところ、FROUNT欠損マクロファージと共培養することで誘導される制御性T細胞の割合の増加を認めたため、今後これについて詳細な検討を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨髄由来マクロファージの獲得免疫応答に作用するサイトカイン産生等の刺激応答性について、LPS刺激についてはサイトカイン産生応答の解析が進んだが、その他のFROUNTが作用するケモカイン受容体を介する刺激については、解析に用いたリガンドについては刺激応答性が得られなかった。今後、刺激の強度や、回収時間を変更して再検討を行う。また計画していたFROUNT欠損マウスを用いた病態モデルでの解析や、FROUNTが作用する受容体の欠損マウスにおける解析については、研究代表者の所属異動により研究環境の整備が必要だったため、予定より遅れており、令和2年度に引き続き実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
獲得免疫応答の誘導におけるFROUNTの役割について、FROUNT欠損マウスおよびFROUNTが作用する受容体の欠損マウス由来の細胞を用いて検証を進める。マクロファージによるT細胞応答修飾作用としてヘルパーT細胞サブセットの分化誘導への影響を調べた限りでは、in vitroにおいてFROUNT欠損による大きな変化は現在のところ確認できていないが、制御性T細胞分化誘導系で変化が認められたため、これについて今後検証を進める。これまでに明らかにしている疾患モデルにおけるFROUNT欠損や阻害剤投与による抑制効果に付随するT細胞応答の変化を明らかにし、in vitroの検証結果と総合してマクロファージによる適応免疫応答制御におけるFROUNTの役割を見出す。
|
Causes of Carryover |
研究代表者の所属異動に伴い計画が遅れたことにより、予定していた実験が未了となったため未使用額が生じた。未使用額は、令和2年度に病態モデルにおける評価およびマクロファージによる獲得免疫応答の修飾作用についてのin vitroにおける解析に使用する。
|