2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the mechanisms of acquired tick resistance
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17K15719
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉川 宗一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10549926)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 獲得免疫 / 感染症 / 好塩基球 / ヒスタミン / 細胞浸潤 / IL-3 |
Outline of Annual Research Achievements |
マダニに対する免疫を発揮するには(1)好塩基球がマダニ感染局所に集積する必要があること、(2)好塩基球がIgEを介して活性化する必要があること、がわかっている。本研究ではこの2点を中心に解析をおこなった。 (1)好塩基球浸潤のメカニズム解析 各種ノックアウトマウスの解析から、好塩基球が2度目の感染でマダニ吸血局所へ浸潤するためにはT細胞由来のIL-3が重要であることがわかった。様々な解析を行ったところ、IL-3を産生するT細胞は皮膚常在型メモリーT細胞(TRM)へと分化し、皮膚全体へと浸潤するようになることがわかった。マダニが一度感染するとその組織にいるTRMが速やかにIL-3を放出し、マダニ感染局所へ好塩基球を浸潤させていることがわかった。さらに、移植実験の結果より、好塩基球はIL-3受容体をこう発現しているが、意外なことに好塩基球自身のIL-3受容体は必須ではなかった。過去の文献で血管内皮細胞がIL-3受容体を発現していることが知られているため、TRMのIL-3は血管内皮に作用し、好塩基球を皮膚局所へリクルートしていることが示唆された。 (2)マダニ免疫に関与する好塩基球由来メディエーターの同定 好塩基球はIgEを介した活性化によりヒスタミンを多量に放出することが知られている。ヒスタミンがマダニ免疫に関与していると考え、ヒスタミン抑制剤をマウスに投与するとマダニ免疫が消失することがわかった。さらに、ヒスタミン自体を投与しても、マダニ免疫が発揮されることもわかった。マダニ免疫には好塩基球とマスト細胞の両方が必要であることがわかっている。ヒスタミン欠損マウスの各種細胞移植実験により、好塩基球由来のヒスタミンが重要であることがわかった。また、さらなる研究によって、好塩基球由来のヒスタミンが皮膚表皮を肥厚させ、吸血を阻止していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)