2017 Fiscal Year Research-status Report
制御性T細胞の特異的TCRシグナル制御と抑制機能の分子的基盤の解明
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17K15723
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 淳 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (00724105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫自己寛容 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、制御性T細胞の特異的なT細胞受容体(TCR)シグナル制御について分子基盤の解明をめざしている。TCR刺激は、通常のT細胞を活性化・増殖させるのに対し、制御性T細胞は増殖せず他のT細胞の活性および増殖を抑制するといった免疫学的特性を示すことから、制御性T細胞におけるTCRシグナル分子の特異的な制御の重要性が考えられる。また、その理解は、免疫関連疾患において、制御性T細胞特異的TCRシグナル制御を標的とし、制御性T細胞を選択的にコントロールする新しい制御法の確立にも重要だと考えられる。平成29年度は、特に、制御性T細胞特異的に制御されるTCRシグナル分子を探索し、解析を進めた。また、制御性T細胞とCD4+ T細胞、CD8+ T細胞について、これらの細胞群から、次世代シーケンサーによる遺伝子発現の網羅的解析、および生理状態あるいはTCR刺激後に制御性T細胞特異的に制御されるTCRシグナル分子について解析を行った。制御性T細胞は、自己反応性の高いTCRレパトアを有するが、自己抗原による恒常的なTCRシグナルを制御し、自身を維持する制御機構についても検証を進めた。さらに、制御性T細胞の抑制機能における、制御性T細胞特異的シグナル制御の役割を、マウスモデルを用いて解析した。特に、制御性T細胞では、TCR刺激後にZAP-70分子の発現が低下し、一方、CD4+ T細胞では亢進を示すことから、ZAP-70発現量を操作できるTet-on ZAP-70マウスを用い、制御性T細胞特異的なシグナル分子制御の役割を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、制御性T細胞の特異的シグナル制御と抑制機能を確立する原理を明らかにする目的で研究を遂行し、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、制御性T細胞(Treg)で特異的な制御を受けるシグナル分子について、タンパク修飾など、タンパクレベルでの制御機構を検証する。特に、Tregでは、TCRシグナル分子のリン酸化が抑制されており、タンパクレベルでのTreg特異的制御が示されている。したがって、TCR刺激による各シグナル経路の分子修飾等の動態を検証し、Treg特異的な制御メカニズムの解析を進める。また、自己免疫病や腫瘍などの疾患において、Treg 特異的に制御されるシグナル分子を標的としたTregの量的増減および機能の増強減弱コントロールによる治療効果を疾患モデルで検証する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] An inflammatory cellular cascade of autoimmune Th17 cells, GM-CSF-producing ILC2 and synoviocytes in the development of autoimmune arthritis2018
Author(s)
Hirota, K., Ito, Y., Hashimoto, M., Watanabe, H., Kondoh, G., Tanaka, A., Yasuda, K., Kopf, M., Potocnik, AJ, Stockinger, B., Sakaguchi, N., Sakaguchi, S.
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Journal Title
Immunity
Volume: 48
Pages: 1220-1232
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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