2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K15727
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 健太 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 特任助教 (60779974)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胸腺 / T細胞 / 正の選択 / 負の選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体防御に有用なCD8+T細胞レパートリーは、胸腺へ移入したT前駆細胞が正/負の選択を時空間的に異なる様式で受けることで形成される。近年、我々は胸腺皮質上皮細胞 (cTECs)で特異的に発現される胸腺プロテアソームの構成鎖β5tを欠損したマウスの解析により、正の選択がT細胞の抗原応答性を制御するという新たな役割を見出した。β5t欠損マウスでの抗原応答性の異常はCD8SP胸腺細胞で既に認められることから正の選択は抗原応答性を至適化することで負の選択を制御しているのではないかと考えた。当該年度は、この仮説を検証するためRat Insulin Promoter (RIP)により胸腺髄質上皮細胞 (mTECs)と膵β細胞でmOVAを発現するRIP-mOVA Tgマウスとβ5t欠損マウスを交配させβ5t (-/-), RIP-mOVA+マウスを作製した。このマウスは対照群であるβ5t (+/-), RIP-mOVA+マウスと同様に自己免疫疾患様の症状を呈しなかった。しかし、OT-I TCR Tgマウスの骨髄細胞を用いた骨髄キメラマウスを作製した場合、OT-I骨髄細胞を移植されたβ5t (-/-), RIP-mOVA+骨髄キメラマウスは対照群と比較して早期に死亡した。これらの結果から、β5t欠損は負の選択に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、その他の成果としてβ5t欠損マウスの胸腺で分化したCD8+ T細胞は二次免疫応答が低下することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は胸腺プロテアソームによる正の選択が負の選択に影響を及ぼす可能性を検討するため、β5t (-/-), RIP-mOVA+マウスとOT-I TCR Tgマウスを用いて作製した骨髄キメラマウスを解析した。その結果、研究業績の概要でも述べたように、OT-I骨髄細胞を移植したβ5t (-/-), RIP-mOVA+骨髄キメラマウスは負の選択の異常を示唆する症状を呈し、移植後3~4週間程度で死亡するという興味深い知見を得た。しかし、対称群と比較すると胸腺が顕著に委縮しており、胸腺細胞の解析が困難であったため、やや進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
OT-I骨髄細胞を移植したβ5t (-/-), RIP-mOVA+骨髄キメラマウスは、負の選択の異常を示唆する症状を示したことから、当初の予定通り、この骨髄マウスを用いて解析を進める。しかし、OT-I骨髄細胞を移植した3~4週目のβ5t (-/-), RIP-mOVA+骨髄キメラマウスの胸腺は顕著に萎縮する。そのため、OT-I骨髄細胞を移植後、胸腺の萎縮が始める前に胸腺細胞のCD8SPの頻度および細胞数を解析する。また、β5t (-/-), RIP-mOVA+骨髄キメラマウス由来のOT-I T細胞が、免疫応答能が低下したアナジーT細胞に分化しているのかをin vitroでの抗原刺激により検証する。
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Causes of Carryover |
当該年度は、交配により作製したβ5t (-/-), RIP-mOVA+マウスにOT-I骨髄細胞を移植した骨髄キメラマウスを作製することで負の選択の解析を試みた。しかし、このマウスでは顕著な胸腺萎縮が認められた。そのため、当初、予定していた胸腺の解析が予定通り進まなかったため、それに必要な試薬を購入しなかった。次年度、胸腺の解析が可能になるように実験条件を検討し、それに必要なフローサイトメトリー用抗体などの試薬を購入予定である。
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Research Products
(2 results)