2018 Fiscal Year Annual Research Report
The nuclear lamina regulates T-cell senescence via altering chromatin structure
Project/Area Number |
17K15728
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 淳平 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (20734239)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | T細胞老化 / T細胞機能 / Lamin A/C |
Outline of Annual Research Achievements |
Lamin A/Cはtype V型の中間径フィラメントの一種で、核内膜の核質を裏打ちする核ラミナの構成成分である。Lamin A/Cはクロマチン高次構造、DNA修復・複製、シグナル伝達や転写制御に関わることが報告されているが、T細胞における役割について解析が進んでいない。本年度は、T細胞特異的Lmna (Lamin A/C )欠損マウスを用いて、T細胞老化や機能におけるLamin A/Cの役割を解析した。in vitroにおいて Lmna欠損活性化CD4 T細胞はCD27/CD62L/CD28の発現低下やオステオポンチンとIL-6の発現上昇など老化T細胞様の形質が誘導された。さらに、ファルネシル化酵素阻害剤を用いてLamin Aのファルネシル化を調節することで、T細胞の老化形質は部分的に回復した。また、Lmna欠損CD4 T細胞はTh2細胞の分化が著しく亢進した。そこで、T細胞特異的Lmna欠損マウスを用いてOVA誘導性喘息疾患モデルの病態を解析した結果、野生型マウスに比べT細胞特異的Lmna欠損マウスで気道肺胞洗浄液中に浸潤する炎症細胞数が増加した。また、Lmna欠損活性化CD4 T細胞はmTORC1の活性化の指標となるS6のリン酸化 (Ser235/236, Ser240/244)レベルが上昇するとともに、解糖系の活性化指標となるExtracellular acidification rate (ECAR) が上昇した。これらの結果から、Lamin A/Cが細胞内エネルギー代謝を介してCD4 T細胞老化やTh2細胞分化を制御すること、Lamin A/Cの発現やタンパク質修飾を調節することで、T細胞老化や機能を制御できる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)